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内容説明
日本を破滅へと導くことになった陸軍の独断専行という事態はなぜおこったのか? 彼らはいかなる思想の元に行動していたのか? 日本陸軍という日本の歴史においても特異な性質を持った組織がいかに形成され、そしてついには日本を敗戦という破滅に引きずり込みながら自らも崩壊に至ったかのプロセスを描く3部作の第1巻。少壮エリート軍人層による組織内での下克上、その結果としての満州事変から政党政治の終焉までを描く。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
23
日本が泥沼の戦争の道に突き進んでいく大きなきっかけとなった満州事変の展開を辿りつつ、「昭和陸軍」が如何にして誕生し政党政治が終焉を迎えるかを仔細に論じる。また若手中堅幕僚の集結する「一夕会」の中心メンバー永田鉄山と石原莞爾、それぞれの戦略構想も比較され、彼らが「来るべき戦争」に備えた軍と国家の姿を提示する。様々な段階で「引き返す」ことあるいは「別な道を往く」ことはできたはずだと思わされる。それらを拒否して破滅の道へ歩んでいく責任は、永田や石原だけに帰せられるものではなく、また政治家や天皇にも帰し難い。2016/08/09
ロッキーのパパ
22
永田鉄山と石原完爾は統制派と同列に論じられることが多いけど、目指すところに根本的な違いがある。両者の思惑が一致したことで満州事変が可能となったという論考は興味深い。この二人の理論を比べると、永田の考えは、太平洋戦争直前までの動きをほぼ当てており、きわめて現実的である。それに比べると、石原の最終戦総論は一種の夢想論に見えてしまう。なのに、現代における知名度が逆転しているのは、石原の理論はスケールが大きいからかな。2014/11/21
中年サラリーマン
19
昭和史の張作霖爆殺から永田暗殺までを収録。老練な政党政治家が手練手管で国際協調路線を推し進め、なんとか陸軍をコントロール下においていたが次第に陸軍は暴走を始める。それは、陸軍の中堅幕僚の日本生き残りのための戦略への狂気にも似た執念、コンプレックス?中堅幕僚は欧州留学中に第一次世界大戦をみて衝撃を受けた世代。その中心にいる永田鉄山の構想。のちに日本が中国に深入りするのは歴史の通り。その芽生えは間違いなく永田の構想から始まっていると思う。しかし永田は暗殺。永田の構想だけが残った。二巻目からの展開がたのしみ。2014/08/25
田園の風
14
内閣も軍部も次の戦争は、国と国との総力戦になることを第一次大戦の結果から認識していた。ただ、その総力戦を凌ぐ方法が異なった。内閣と陸軍の派閥宇垣派は、米英協調の平和路線を模索し、一夕会の中堅幕僚達は満蒙の資源獲得により軍備の強化を図った。それが、列強の日本への不信感を呼び起こす。軍部に限らず組織は、自組織の顕示を図るものだが、抑止力が不在であったことが悲劇を生んだ。中堅幕僚達は、長州閥への対抗策として満蒙を獲得し、政治へ参画しようとしたのではないか?それであるなら、動機の不純さは許されるものではない。2014/10/21
かんがく
13
私が昭和史にハマるきっかけとなった本。3年ぶりの再読。以前読んで以降、同じ範囲の本を10冊程度読んだので、より深く理解できた。満州事変における永田の総力戦論と石原の世界最終戦論の比較は見事。2018/10/09
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