内容説明
狩野派を破門され、質朴なる農夫の絵を描き続けた孤高の絵師、久隅守景/狩野派に入門しながら吉原通いを好み、あげくに生類憐みの令で三宅島に島流しになった不遇の絵師、英一蝶/青物問屋の長男に生まれ若くして店を継ぐも、早々に隠居して生き物を描き続けるた博愛の画家、伊藤若冲/備前池田藩・支藩の大目付の役にありながら、風流の道に傾いて脱藩し、七弦琴と絵筆を手に諸国を放浪した文人画家、浦上玉堂/4人の生涯とは!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラスカル
16
狩野派隆盛の画界から逸れた4人の絵師(久隅守景、英一蝶、伊藤若冲、浦上玉堂)の物語。英一蝶目当てで読んだが久隅守景がおもしろかった。葉室麟の『乾山晩秋』の雪信のお父さん側からのお話。文体は読みにくかった。2022/04/10
Suu.
13
表紙の若沖に惹かれて手に取った、初めての小嵐作品。題名も良いなぁと期待を大にして読み進めたのだが、どうにも読みにくい。独特に過ぎる文章構成、突飛過ぎる台詞や句読点、泥臭く波瀾万丈に生きた絵師達の人物描写、どれも印象が薄かった。他の作品を読んだ事が無いため何とも言えないが、本書に関しては残念と言わざるを得ない。著名な絵師四名の一生に触れる機会を齎して頂いた事に深く感謝し、また御縁がある時まで静かに待ちたいと思う。2014/07/10
マカロニ マカロン
8
個人の感想です:B+。江戸時代中頃、狩野派が画界を席巻している時代に独自の画風を極めた久隅守景、英一蝶、伊藤若冲、浦上玉堂の四人の画家の生涯を描いた短編小説集。若冲以外はよく知らない人物だったが、それぞれの人物が主に京言葉で独り言つような形式で書かれた独特の文章が味わいがあり、同時に読みにくくもあった。この四人、いずれも男根と女陰の対比が絵に潜むテーマになっているようで、関西弁の「お○こ」が多用されていた。若冲がゲイだったり、流罪の一蝶が三宅島で女体を小出しに餌として撒かれ絵心を盛り立てたり興味深かった。2016/08/12
もこもこ
3
江戸絵画が好きな人にはお勧めです。久隅守景の絵を見にトーハクに行ってきます!2014/07/05
ninoko
1
絵に対する情熱はそれぞれでも、命を賭けられる物悲しさあるのは幸せだ。だが一人称口語体はつくづく読みにくいし、感情移入しにくい。2014/07/22