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内容説明
当代一流の浮世絵師たちが繰り広げる“悪の魅力”。人はなぜ、悪に、惹かれるのか。
目次
1 盗賊・侠客・浪人
2 悪の権力者たち
3 悪女と女伊達
4 恋と悪
5 善と悪のはざま
6 悪の妖術使い
鼎談 悪を語る 串田和美×五味太郎×渡邉晃
著者等紹介
渡邉晃[ワタナベアキラ]
1976年東京生まれ。太田記念美術館主幹学芸員。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科修了。博士(芸術学)。江戸時代を中心とする浮世絵史、出版文化史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
53
お江戸を彩る悪の華の数々。天下国家の転覆を目論む大悪から市井の小悪党まで、浜の真砂は尽きるともという感じで有名所から始めて耳にする者まで大量に収録されている。歌舞伎の演目は数多あれど、斯様に大勢の悪人が描かれていたとは感嘆する事しきりである。それが浮世絵に写し出されると、兎に角残酷で粋なのである。誰も彼も独特の美学と共に血に塗れていて、いやもうどれも目が離せない。後、描かれた人物を知るために便利な悪人度メーター付き。ちなみに悪人度MAXは藤原時平、田宮伊右衛門、仁木弾正という有名処御三家でありました。2017/09/30
しゅてふぁん
23
歴史上の悪評高い人物が大集合!当代一流の浮世絵師たちが描く、危うく、粋で美しい『悪の魅力』満載の一冊。今まで、まじまじと見たことがなかった浮世絵。しかも、風景画ではなく、人物画。色鮮やかで迫力があって、圧倒される。個人的には、大勢が描かれているものよりも一人二人が大きく描かれているものの方がより迫力があって好きだな。浮世絵って悪人が映えるわぁ。解説に演じた役者と役名が書かれているものが多く、歌舞伎の歴史を実感した。2016/09/20
鯖
16
「ちのいろよろしく」国芳。浮世絵に描かれた江戸の悪人、歴史上の悪人を集めた画集。対談とかはいらなかったかなあ。…しかし高師直悪人にされすぎでかわいそう。大河の太平記リメイクで「極楽征夷大将軍」やってくれんかの。やまもっさんあたり配役にして。歴史上のみなさんが着物で悪人がんばってるのは、ソシャゲの夏イベでみんな水着で出てくるようなものなんじゃろうか。2024/09/22
ちはや@灯れ松明の火
14
平凡に生きる者ほど非凡な存在に憧れる。巨悪に立ち向かう孤高の英雄が放つ眩さに似た華を、天下泰平の秩序に刃向う危険分子の中にも見出す。鼠小僧に石川五右衛門、歓声を浴びるのは天下の大盗賊。藤原時平に高師直、物語には必要不可欠な腹黒キャラ。毒婦に女伊達、油断してりゃぶすりと刺され、妖狐に蛟、人に化けては誑かす。伊右衛門お岩に安珍清姫、痴情の縺れが惨劇に直結するのは今も昔も変わらない。歌舞伎や狂言、物語や浮世絵に描かれた虚構の悪に魅入るのは、退屈な秩序に倦みながら、それに護られて生きているのを知っているからだ。 2017/07/12
こぽぞう☆
11
天童に旅した時、広重美術館で購入。江戸後期を中心に「悪人」たちを。「江戸の怖い絵」と2冊セット。「怖い絵」の方は人外でこちらは人間がテーマの浮世絵。現代人には、こちらの方が怖いかな?怖いと言いつつカッコイイ!でもあったり。2018/09/01