内容説明
浅草の一角で、町並みに溶け込むかのように佇む栗丸堂。若い主人は最近店を継いだばかりらしく、栗田仁という。精悍にすぎる容貌で、どこか危なっかしいが腕は確か。 店を応援しようと顔馴染みが紹介したのが、和菓子のお嬢様こと葵だった。可憐な容姿だが、怪しすぎる通り名に警戒する栗田。出会いはいまいちだったが、彼女との出会いが栗田の和菓子を大きく変えることになる。 思いもよらぬ珍客も訪れるこの店では、いつも何かが起こる。和菓子がもたらす、今日の騒動は? ここでは変わらぬ温かい下町の風景が残っている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いーたん
251
和菓子が食べたくなる。そんな一冊。 和菓子、浅草、日常、お嬢様、ちょっぴりミステリー。いいんじゃない?これ。 ただ栗丸堂4代目が19歳とか若すぎる気もするけど・・・最後、葵の手首の傷が気になりました。続編前提での内容だったので、次も読みます。葵の正体も気になるし。2014/05/06
とし
201
お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂。似鳥航一作品初読み。和菓子屋栗丸堂の若主仁と和菓子の知識豊富で謎の多い葵の和菓子に関わる謎解き、舞台が浅草下町でほのぼのとして人情がありで雰囲気も良いですね。「干菓子」の小春さんと父の吉良さんお話思わずホロリでした続巻があるようなので是非読まなければです。2015/04/16
りゅう☆
147
亡き両親の老舗和菓子店跡を継いだ栗田。閑古鳥状態の毎日の中、甘味に関して妥協ない葵を紹介される。20年前に栗田の両親に助けられた豆大福を食べに来た男性、和菓子はNGと豪語する親友浅羽に食べさせたどら焼き、絶縁状態の父娘の和三盆と落雁の関係。和菓子を通して葵の考えに栗田が頭を回転させ、ちょっとした謎を解きつつ、人間関係の変化を描いた物語。読みやすいけど何か物足りない。栗田、葵、由加の三角関係でなければ、栗田と葵の距離の縮まりも素直に楽しめたのに。葵の喋り方もう~ん…。5巻で完結なら読んでもいいかな?2016/02/24
ゴンゾウ@新潮部
131
若者に敬遠され気味な和菓子。素朴だけど奥深い和菓子の世界に挑む若き職人栗田仁と謎の美少女葵。とても面白い設定なんだが二人が若すぎるからか物語に深みがかけて勿体無い。これから葵の謎が明かされて深みが増すことに期待したい。2016/06/12
吉右ヱ門
121
和菓子が好きなので、豆大福が食べたくて身悶えるはめになった。甘さ控えめの豆大福。たまらん。そして、できたてのどら焼き!たまらん。和菓子と人情話をからめた下町のお話。次はどんなお菓子が登場するんだろう。じょうようときみしぐれが超好きー!近所の和菓子屋さんも、代替わりした途端味が変わって驚いたなぁ。同じ材料でも、作り手が違うと別物になる。2014/11/17