内容説明
敗戦後の一九XX年、米英中ソに分割統治された日本。ソ連占領下の北ニッポン山形管区米沢地区に暮らす地理学者・遠藤三郎の元を、密入国した西ニッポンの極道者が訪ねてくる。日本統一運動の志士に誘い込まれたサブーシャは、返事をする間もなく、雪の国境へと連れ出される。奇想天外な冒険小説、いざ開幕!
感想・レビュー
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kemonoda
2
井上ひさしさんの絶筆をついに入手。東北の一村が独立宣言をする「吉里吉里人」の構造をさらに進めたような本書の設定は、「敗戦後、米英中ソ四カ国に分割統治されることとなったニッポン」!、そしてその統一運動を軸とした物語。「ありえたかもしれない歴史」を丹念にバカバカしく描くことで、現代日本を強く批評し、「あるべき日本」を問う井上世界の真骨頂です。面白い!!!2014/04/25
かずぺん
0
視点が面白いですね。流石、井上やすしと思います。上巻、読みいってしまいました。下巻に入ります。2014/06/19
亀之助
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日本が戦後戦勝国に分断されてしまう。統一を目指しサブーシャ(三郎)はロシア地区を脱出する。2014/05/23
山目
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抱腹絶倒、昭和の薫り溢れるパロディ、井上先生のご冥福を祈りながら中巻へ。2014/04/20
裏竹秋
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未完だが『吉里吉里人』『一週間』とならぶ井上ひさしの愉快作ではないか(筒井康隆のほめる『腹鼓記』は読んでないけど)。無名なのが惜しい。超荒唐無稽でトンデモ展開の連続だが、よくもまあここまで考へられるものだと思ふ。私はこれを高校生の時に読んで引きこまれ、ずるずると徹夜したくなるほどだった。