内容説明
地獄の合宿を終え、『団』として成長した団長・大介と三人の団員たち。しかし初陣直前、鼓手・健太の父が危篤に陥る。軋轢を抱えながら向き合う父子に、オヤジ団長・大介が伝えられることはあるのか。誰かを応援すること、誰かの思いに真剣になること、応援とはいったいなんなのだろう――。人生の岐路に立つ若い団員たち、重い荷を負う同い歳たち、そして同じ時代を生きるすべてのひとに、届け、オヤジの応援歌!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
135
学生の頃、武道系の部に身を置いた私にとって、重松氏の描く応援団の世界は気分としてよくわかる。もちろんズバリ同質ではないのだが。理由も目的もなくとにかくやる。ひたすら頑張る。それが当たり前に出来るようになったとき、いや、当たり前も何も余計なことを考えることがなくなったときに到達している境地があるのだ。武道系の部の合宿は外から見ればしごきだ。理屈はそうだ。おそらく周りからは冷ややかな目で見られることだろう。しかし一度とことんまでそれをやってみるがいい。理に背いても情に適うこころよい世界がそこにはあるはずだ。2014/08/02
yoshida
134
予想以上に熱く、楽しく、ホロリとくる作品。社命であすなろ大学の応援団存続に励む藤巻。45歳で大学生に混じり応援団の活動を行うことはハードルが高い。更には応援団独特の文化と伝統にも戸惑う。団の活動を通じて、藤巻は様々なことに気付く。誰もが誰かに応援されている。若い世代だったら親や友人に応援されている。ある程度の年代になれば同僚や新しい家族も加わるだろう。自分を応援してくれる人に出会えることは幸せである。何より、自分が誰かを応援できるようになりたい。生き辛い世の中はそうして廻っている。私もそうありたい。押忍!2020/09/27
りゅう☆
98
応援団としての活動ぶりやみんなの成長が伺える。健太の父の死、初陣、玲奈のケガ、山下の決断と齋藤のオトナ泣き、美紀と翔のラブラブを見て動揺する大介、ケイガクへのケジメ、ベケの正体、そして任務を全うし応援団を去り行く大介へのエール。応援~自分以外の誰かのことをひたすらに、がむしゃらに思うということ。人生の中でたったの半年間のことだけど、大人になってこれだけ充実して濃厚な時間ってなかなか送ることはできないよ。リーダーを振り続ける姿に感無量。また登場人物にモデルがいてそこから生まれた作品ってのもまたよかったです。2019/08/11
さっとん
84
上巻も良かったですが、それ以上の面白さと感動がありました。 学生時代に運動部にいた自分としては(ここまで極端ではなかったものの)懐かしさを覚えました。 登場人物もみんな良いキャラしていて思わず応援したくなります。 最初は鬱陶しいと思っていた齊藤と山下のOBコンビもいつしか大好きに(笑) 特に終盤は胸が熱くなり、満員電車の中で涙しそうになりました。 自分も家族や友人・同僚など周りの人を応援できる、応援してもらえる人間になれるよう頑張ろうと思います。2019/07/23
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
77
後半も一気読み。応援団に限らず、学生時代のクラブ活動には今考えれば「前時代的」で「不合理」なことも多かったのだけれど、不思議と年月を経てから仲間同士で思い出話に花が咲くのはそうした話ばかり。「ただひたすらに汗をかく」っていうのも時にはいいんじゃないかな。ベタな展開だけれど、ニヤッと笑い、ホロリと涙させるお話は重松さんらしくてよかったです。中年オヤジにはツボですね。★★★+2015/01/10
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