講談社文庫<br> あすなろ三三七拍子(上)

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講談社文庫
あすなろ三三七拍子(上)

  • 著者名:重松清【著】
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 講談社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784062777377

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内容説明

藤巻大介、四十五歳、総務課長。ワンマン社長直命の出向先は「あすなろ大学応援団」!? 団員ゼロで廃部寸前の『団』を救うため、大介は特注の襟高学ランに袖を通す決意をする。妻と娘は呆れるが、社長の涙とクビの脅しに、返事は「押忍!」しかありえない。同い歳のOBにシゴかれて、学ラン姿は街中の笑いもの。しかし『団』を復活させなければ、会社に彼の席はない。団旗を掲げ太鼓を叩き、オヤジ団長・大介、全力疾走!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

142
世の中、理屈がすべてではない。正しいが正しくないこともある。男同士にしか判らないドメスティックな価値観だろうと、日本人にしか判らない島国根性だろうと、それを軽々にアナクロニズムと切り捨てられる筋合いはない。閉じた世界で昇華した精神世界を理解せず頭から否定するような態度こそが浅薄で偏狭な考えとして軽侮されるべきものだろう。一見バカで前近代的に見える応援団の中に深遠なるもの見た。今必要なのは、自由、博愛、人権などと一見正義と見える西欧流独善ではなく、様々な価値観をすべて包み込み併存させる度量なのだと気づく。2014/07/28

yoshida

129
エール商事の総務課長藤巻大介は、社長の指名であすなろ大学の応援団団長として出向する。45歳の藤巻は風前の灯である応援団の存続に力を尽くす。初めは応援団について知らないことだらけの藤巻は戸惑う。しかしOBや合宿を通じて、人を応援することについて学んでいく。意地や面子、無駄と思えることにも合理性で割り切れないものがある。新入団員では初の女子も加入。責任教員の原センセイ等、個性溢れるメンバーが揃う。いまの時代にない熱さ、無駄さ。しかし、そこには私たちの忘れつつある、人間の息吹きや暖かさがあるのではなかろうか。2020/09/27

chiru

96
存続危機の応援団を救うため、団長の座についた45歳のサラリーマンの熱い応援小説。暴力団のようなOBや、主人公の娘の金髪彼氏など、個性派団員たちがとても痛快。コメディ路線なんだけど、意外にも胸を打たれるシーンが多い。時代錯誤でカッコ悪いと自認している中年応援団。でも一途に進む一生懸命さが、若者達の心まで熱く包んでいく。誰でも誰かの応援があるから今の自分がいる。わたしも誰かを応援できる自分でいたいなと思いました。かっこ悪いオトナたちが、最後はかっこいいヒーローのように輝いて見える物語でした! ★52019/08/03

りゅう☆

87
廃部の危機にあるあすなろ大学応援団。OBで会社社長である荒川の業務命令により、大学入学して応援団長となった藤巻大介45歳。吹奏楽部からの一方的な決別、OBの齋藤と山下から理不尽にしごかれるも、OBの息子である健太と娘との交際を認める条件としてチャラ男翔が入部。そして応援団の改革をすべく今年から責任教員となった原先生、優秀な沙耶も加わる。古い体質を持つ応援団に敬遠したい部分が多々あるけど笑いあり、人情あり、そして合宿で「団」とは、応援とは何かが少し分かりかけた。さて今後どう改革されるのかされないのか楽しみ。2019/08/05

さっとん

78
45歳のサラリーマンが社長の命令により大学に入り直し、さらには応援団の団長になるという突拍子のない設定。 基本的にはドタバタ、ガヤガヤのコメディタッチなのですがところどころ胸が熱くなる感動のシーンがある面白くも熱い作品です。 テンポも良くてとても読みやすいのでこのまま一気に下巻も読みます!2019/07/18

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