内容説明
実は、早老症の天才少年を核とする少年だけの投資家集団だった「黄金の騎士団」。彼らの目的は、莫大な資金を元に、子どもが自治するユートピアを創ることだった。ところが、シカゴ市場で快進撃を続ける「騎士団」の前に、世界的な大財閥オッペンハイマー家の総帥が立ちはだかる。未完の痛快経済小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
378
井上ひさし氏が帰らぬ人となってしまったために、残念ながら未完。大団円の構想はできていたようだが、その通りだとすればやや不満も残る。そんなに何もかもがうまくいくハッピーエンドにしてしまうのは井上ひさしらしくないからだ。そもそも最初の構想自体に幾分無理があったことも事実。先物取引の額があまりにも大きすぎたし、敵もまた強大に過ぎる。これでは、荒唐無稽の域に入ってしまい、リアリティを失いかねない。もっとも、ベンポスタや咲花子供歌舞伎、「集金パーティ」劇など演劇的な夢を語るあたりはまさに井上ひさしらしいものだった。2020/04/29
ふう
69
上巻の新人研修、孤児院の資金難、地上げ問題に続き、下巻では会社や土地の買収、政治家の暗躍など、子どもたちに次から次へと困難が襲いかかってきます。それでも、子どもたちが自分たちの力で生きていけるユートピアを作るために、子どもたちと応援団の大人たちが知恵を出し合うのですが、さてどうなる!というところで終わる未完の物語。そこから先の展開は読者の知恵と想像に任せられるのですが、難しすぎます。はじけてしまう夢なのか、実現可能な理想なのか…。でも、何があっても、子どもたちには次に進む明るさがあることを信じたいですね。2015/11/22
miu
10
切なすぎる未完結。井上ひさし大先生もさぞ無念であったことでしょう。天才キッズと世界大財閥と政治家と。ドキドキワクワク。そして痛快。約10年前の作品とは思えないほど新しい。井上ひさしの頭のなかはどうなっていたのだろう。おもしろかった!2020/04/18
punyupunyu
5
ベンポスタという子供の国の存在に驚き、それが許容される世の中に温かさを感じました。物語は敵役の登場と相まってクライマックスを迎える直前に「未完」で終わってしまいます。ストーリーには少しご都合主義のような感じも受けましたが、子供たちにエールを送りながら読むことができたかな。2014/04/19
ユーコ
5
金さえあればなんでも出来ると思っている大人に、金で戦いを挑む。もちろん痛快なんだけど、「相手の武器がお金だから、そのお金で戦っているだけ」という、どこか悔しさがにじむ子供のセリフに、そんな社会の大人の一員として、少し胸が痛んだ。未完ではあるが、あとがきで紹介される井上ひさしさんが語ったという今後の展開の通り、子供たちのユートピアは成ったのだと想像する。2014/01/25
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