内容説明
物の怪を調伏する盲目の美少女・百夜の物語。
ネットで大人気の平谷美樹・著「百夜百鬼夜行帖」が、「修法師百夜まじない帖」とタイトルを変えて出版された文庫版を電子化。美少女修法師が江戸の町で大活躍する姿に、一度読み出したら止められないこと必至。いつも強気だけど、時々かわいらしくて、でも物の怪調伏では、百夜の右に出る物はない、こんな魅力的な修法師・百夜が次々と強敵を倒していく様が痛快この上ない。
時は文政期の江戸、舞台は神田川にかかる昌平橋(現在のお茶の水駅近く)。津軽から江戸へやってきたばかりの盲目の少女・百夜は、津軽弁しかしゃべれず、全く言葉が通じない。そこで、江戸の町で命を絶たれた侍の霊を自分の身体に取り込み、侍言葉を操れるように。言葉を手に入れた百夜に、もう恐れるものは何もない。
年の瀬、さっそく物の怪退治の話が舞い込む。上野黒門町で薬種屋を営む倉田屋で、冬だというのに白い蝶が飛んでいるというのだ。その蝶、倉田屋に住む九十九神で、蝶の正体はなんと100年前の・・・
全部で8編の物語で構成される「修法師百夜まじない帖」シリーズ第一弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
48
ゴミソの鐵次シリーズを読んでいた私にとっては待ってましたの文庫化で楽しく読ませて頂きました、電子書籍版ではまだまだ物語は進んでいるそうですが、両方の話が絡んで大きな話になってくれるのを期待しています。それにしても理由があるとはいえ、ちょっと付喪神が多すぎかなぁ2014/01/11
優愛
35
雪の降る晩に現れるという白い蝶。それは亡魂の力を借りた百夜にしか見えることのない、読み解かれぬまま行き場を失った末に時を経て妖怪と変じた恋文――。このご時世、身分の違う恋を間違いだと一人が言えば、焦がれる程の想いを忘れることが正しいと皆口を揃えて言うのでしょう。時の流れでは錆び付かない程美しい恋心を知らぬまま。百年の月日が流れた今、亡き恋人の死を明らかにし土の中に眠るその身体を見つけてくれた事。届くことのなかった想いを伝えてくれた事。それはまるで、亡き者と亡き者を繋ぐ橋渡し的存在。優しく温かい短編集です。2017/06/17
tow
10
ブックパスにて結び蝶を。優しくてきれいなお話し。ミステリーに仕上がっているのもよかった。2016/11/18
外道皇帝
7
ゴミソの鐵次シリーズにもちょっと顔を出している修法師の百夜が主人公の短編集。15歳くらいで小柄な盲目の少女だけど武士の亡霊の目と口を使っているので喋り方が武士のものというところもキャラが立っている。物語は100年ほども経ったいろんな物が付喪神となって現れ、百夜がそれを解決するという定番パターンなのでどれもサクサクと読める。ゴミソシリーズとはまた違った面白さ。2014/05/02
めにい
5
電子図書というので構えていたら、全然気にならない面白さだった。佐吉の態度がちょうどいい狂言回しになっていて軽やかに江戸の怪奇を払っていく。2014/05/03




