内容説明
11年ぶりの新作。“問題児”が自らを暴く!
ミシンガン州の小さな街に生まれたマイケル・ムーアが映画監督やジャーナリストなど多彩な顔をもつ「活動家マイケル・ムーア」として誕生するまで、20数編のエッセイによって綴られています。
ノンフィクションとフィクションの微妙な境界線上を綱渡りしつつ、プライベート上の歴史の向こう側に、アメリカ史そのものを映し出す。
目次
後ろ向きにハイハイ
捜索隊
カヌー
ピエタ
テト
一九四三年のクリスマス
聖木曜日
悪魔祓い
ボーイズ・ステート
ゾーイ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
22
深く考えず借りた本でしたが、とても楽しめました。私自身がバックボーンに宗教や政治を有していないため、共感し得ない部分が多いにもかかわらず彼の作品に引き込まれてしまうのは、ユーモアに秘めた優しさとぶれない姿勢にあるのだと推察。2014/02/21
ブラックジャケット
13
お騒がせの人なので、恨まれるのも凄い。巻頭にエピローグを持ってきて、自虐ネタの連発。ユーモアたっぷりの演出でツカミはバッチリ。正統派の自伝もいい。ご先祖の先住民とのエピソードや母親の悔いが残る病死、さらには対日戦の経験がある父親の思い出等々、よく出来た近代アメリカ史にも なっている。GMの城下町ミシガン州フリントで新聞を発行し、反骨のジャーナリズムの魂を育てる。快男児ムーアの活躍は世界に渡り、ペンからカメラに進む。マイケル・ムーアをただのデブだと思ったら大間違い。中身の詰まったアメリカを代表する知性だ。 2021/04/19
権現
8
本書は自伝でもあり、1人のドキュメンタリー映画監督が見てきた戦後アメリカの近代史でもある。近所のちょっと不思議な少年が、周りの子供達にダンスと化粧を教えるところを見咎められて酷いいじめを受けるようになる。やがて彼はリベラルな土地を求めてニューヨークに移るも、最後は絶望して川に身を投げる。こういう隣近所の日常から当時の世相をさらりと語ってみせるあたりに、ドキュメンタリー監督としての才覚が光る。良書であった。2017/05/05
imagine
2
読み応えのある「エピローグ」を冒頭に置くという、ニクい始まり方。幼少の頃からアイディアマンで行動力のありすぎたマイケルの半生はスリリングかつ痛快で、ページをめくるスピードが増してゆきました。GMの企業城下街で生まれ育っていたのを知ると、監督した映画作品の説得力にも重みが増しますね。2015/03/06
ママの宅急便
2
まず「華氏9.11」後の彼の危険な日々が書かれてあった。TVキャスターが「殺す」というワードを使う、正気じゃない。 始まりはアメリカ開拓時代から語られる。 それにしても昔から彼のあの世直し行動力はすごかった。マイケル・ムーアは一日にしてならず、だ。 暴言を吐かれたり自殺しようとする人と話をしようとする、そして和解できるなんてさすが。厳戒警備のナチスの墓に入るため必要なもの=マイケル・ムーア。(笑)スピーチコンテストと教育委員会の話は痛快、青春ドラマみたいで好きだ。2014/07/24