内容説明
「完成させたんですから費用を払ってください!」
「こんなヒドい出来のシステムに金なんか払えない!」
システム開発プロジェクト上で起きたトラブルが、5年以上にわたる裁判や、数千万円もの損失につながることがあります。
ストーリー形式でまとめられた本書では、そうしたトラブルの本質を“ぶっちゃけ女性IT弁護士”がズバッと指摘! トラブル対処法と事前対策を学ぶことができます。
著者は、東京地方裁判所でIT案件専門の調停委員を務める細川義洋氏。ソフトウェア契約書の記載項目例など、今すぐ使えるチェックリストや参考資料も満載です。
目次
1 要件定義(「言った・言わない」と「やる・やらない」)
2 プロジェクト計画と管理(線表だけが、管理じゃない!)
3 設計(ベンダとユーザが協力すべし)
4 プログラミング(動けばいいってもんじゃない)
5 テスト(テストの対象、わかってる?)
6 契約と仕事の完成(約束したのは何だっけ?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
最近の若い人向けに書かれているような気がします。対談調でわかりやすく書かれています。情報も結構詰まっていますが、私は基本的にはユーザー側がしっかりしているシステム開発は成功すると思います。ベンダーにお任せのシステム開発は押しなべて成功していません。東証などはいい例です。RFPも自分たちで書いて(大体ベンダーに任せています)、きちんとコントロールしたのでうまくいったと聞いています。最近ある銀行のシステム開発で要件定義をしっかりしないで、2年ほど延期になったということも聞いています。2017/09/17
えちぜんや よーた
85
野球で言えば「ポテンヒット」的な話が多かったような気がする。システム開発も、「声かけなくても誰かが捕るやろ」と思ったところに、球が落ちる。それがもめごとのタネになっているという感じ。2014/05/13
mazda
28
タイトルの通りですね。システム開発って、細かいことを伝えたつもりでも、非要件定義が定かでない場合が多いので、実際に使おうと思うと全くダメ、ということになりかねません。ユーザにとっては機能もそうですが、使っていてサクサク動くとか、安定して動くということが大事だったりするので、ここは絶対に無視できないところでしょう。と、わかっていても、実際に設計の段階になると人手と時間が足りなくて思ったようには行かないのが世の常ですが…。2014/09/27
林 一歩
19
自分に何が出来るのか、会社員なら考えて当然。逆に考えない人材なら、お互いにメリットがないので早々に退場すべき。残念だが、今はそんな時代ですわ。2014/06/11
Miyako Hongo
16
Amazonで見つけてミもフタもないタイトルが印象に残ってたんで本屋で衝動買い。ビジネス書読んでると眠くなるけどこれは一話4P。マンガ的な手法で書かれてるから鬱にならずに読める。トレーザビリティマトリクスとWBSの進捗管理が便利そうだけど手間かかるだろうなぁ。 理想論であることは本書自ら述べてる。現実は顧客とベンダーが協力しなきゃモノは動かない、って事を頼むから理解してくれお願いします(魂の叫び)レベル。結局最後は人の関係。最初から信用されなきゃモメないってあたり、心が寒いけど現実的な解なんだよな。2014/05/15