内容説明
ニッポンのジレンマ、働き方のジレンマ―― 日本の雇用・労働をめぐる議論は、エリートかワーキングプアを対象としたものに偏りがちである。そこには「普通の人」の「普通の働き方」が見落とされており、ブラック企業論争やノマド論争で可視化されたのは、私たちの「普通に働きたい」というこじれた感情であった。しかし、「普通の人」とは誰か?「普通の働き方」とは何か?そもそも私たちは「普通」ということが、実はよく分かっていないのだ。本書は豊富にデータを揃えながら「意識の高い」系言説のウソを暴き、私たちノンエリートのための働き方を考察する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
44
そもそも働きたくないんですけど…。2014/07/27
糜竺(びじく)
40
引用『世の中には、数%の秀才、0.1%の天才がいる事は事実だし、そういった人材が必要な事も事実だ。ただ、これを前提に論じられて、「君達も、それを目指すべきだ」と言われても困る。特例を目指した議論はミスリードを招く。そして、こんな特例と比較されて煽られても、ほとんどの「普通の人」は救われない。』『本当は二十代の時に丁稚してなきゃいけないし、「素振り」してなきゃいけない。』『素振りしてないと打てない、という事実なんです。天才は凄まじい努力をしているわけですよ。イチローがどれだけ素振りしたんだという』なるほど!2015/07/14
Miyoshi Hirotaka
30
マスコミが取り上げる働き方といえば、「意識高い系」、ノマド、グローバルで活躍するエリート。あるいは、ブラック企業のワーキングプア。さらに、激動、崩壊という言葉で煽り、リスクの高い決断に私達を誘導する。わが国は、エリートと非エリートが分化していない誰にでもチャンスはある社会だ。それに対して欧米は、人生の早い段階で結論が出る社会構造だ。欧米のエリート、つまり、偉人をロールモデルにして煽っても機能しない。現実を直視し、たまに振り返りをして、少しだけ先を考えて変化に対応すれば、普通の人の普通の働きとしては十分だ。2018/02/08
showgunn
21
世の中の労働についての議論は超エリートのことかワーキングプアのことかの二択でしかなく、大多数を占める普通の人はどうすべきか、というテーマにまず共感する。普通の人はマスコミの言うことを鵜呑みにせず自分のできることをしっかりやりましょうね、というまとめるとすごい普通の話で、普通すぎてあまり本にならないようなことなのかもしれない。 労働問題を別にしても、アンケートの結果がどう歪んで伝えられるかとか、昔からずっと同じことを言ってる人が沢山いるとか、そういうもののサンプルとしても好例だと思う。2017/02/04
bayashi
18
もっと働く上での精神論とか幸福論とかの本かと思ったのだが、、マスコミは一部のデータを良いように切り取ってさも衝撃的に伝える、という事を既に知っている人は、読む意味ないかも。2016/11/26