角川文庫<br> 刑事マルティン・ベック 笑う警官

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角川文庫
刑事マルティン・ベック 笑う警官

  • ISBN:9784041010174

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内容説明

市バスで起きた大量殺人事件。被害者の中には殺人課の刑事が。若き刑事はなぜバスに乗っていたのか? 唯一の生き証人は死亡、刑事マルティン・ベックらによる、被害者を巡る地道な聞き込み捜査が始まる――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

407
★★★★☆ マルティン・ベックシリーズ第4作目にして最も有名な作品。 バス内で起こった銃乱射事件。被害者の1人は警官だったが、彼は何故そのバスに乗っていたのか… いつものメンバーに加え、他県から応援が数名参加して合同捜査を行うが、それぞれに活躍シーンが用意されていて少しずつ真相が明らかになっていく。 ステンストルムは好きな人物だっただけに残念だが、ルンが変わって存在感を増しており気に入った。 犯人は追い詰められていたのかもしれないが、あえてバス内で殺人を決行する理由に乏しく、その点で肩透かしだった。2024/02/18

ヴェネツィア

320
主人公のマルティン・ベックはタイトルとは裏腹に「笑わない」警官。1967年当時のスウェーデン社会は大きな変動期にあり、およそ笑ってはいられない状況にあったようだ。さて、ベックは一応は主人公ではあるというものの、登場場面は極めて少ない。つまり彼が主任捜査官として率いるチームそのものこそが主役なのだ。その意味で、本書は徹底したリアリズムに立脚した警察小説だ。そして、ここで描かれているのは表層的には犯罪なのであるが、実はその背後にあるストックホルムの姿そのものなのだ。奥行きのある実に読み応えのある小説だ。2015/08/23

遥かなる想い

300
1968年に発表され、警察小説の嚆矢とも 言われる本作品..地味だが面白い。 舞台は1960年代のストックホルム.. ベトナム反戦運動のうねりが 不安な時代を 反映させている。 バスで殺された8人..意味不明な最後の言葉.. 現在と過去の事件を巧みにリンクさせながら、 マルティン・ベック刑事たちの地道な捜査が 真実を暴いていく..謎解きではなく 捜査する 警察官を描く、王道の警察小説だった。2016/06/05

修一郎

192
名作の4作目!タイトルは昔から知っていたものの佐々木譲を先に読んで本家は後回しになってました。タイトルの意味は「笑えよマルティン・笑ったなステンストロム」ってとこですね。シリーズ最悪の大量殺人事件でかつ手がかりが見当たらない難事件です。かすかな手がかりを積み上げて解き解していく捜査は地味だけども緻密,見事です。社会背景は暗くてややこしい。マルティンだけをヒーロー扱いせず,チームの組織力で勝負,あのわずかなとっかかりでよくぞ解決までたどり着いた。予想通り一番の読み応えでした!ここでいったん休憩です。2020/05/30

KAZOO

177
70年代に読んだ本ですが最近新訳で出たということで読んでみました。昔読んだときは自分が若かったこともあり、このような分野の小説はあまり肌に合わなくて、また北欧の暗い感じがあり、印象に残らない感じでした。今回読み直してみるとやはり名作でかなりきちんとした警察の捜査などが書かれていて読み直してよかったと思いました。ほかの9作も読み直そうかと思います。2016/05/10

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