内容説明
氷室想介の求愛を待ち続け、遂に彼のもとを去ったアシスタントの川井舞。失意の彼女は国際的マジシャンと婚約するが、その彼に突然22年前の一家惨殺事件の犯人疑惑が浮上。氷室と奇術師の心理戦が始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
21
とても良かった‥でも寂しい。。まだまだ続きを残したままで逝ってしまうのは非常に寂しい。。結果 本作が最終巻となってしまう訳なのだが、驚き、興奮、悲哀、と我々読み手に様々な表情を浮かばせる奇術的ミステリに魅せられ酔いしれ満たされるという著者の最期にして最高のイリュージョンはそのタイトル以上のものが残せたと思う。。お疲れ様でした。2017/01/13
Kei Kobayashi
5
正直、本編がおまけです。巻末の「QAZの正体と真相」こそが本編です。光文社から「京都魔界伝説の女」が刊行されたのが1999年の夏か秋だったと思うので、それ以来待ち続けた百冊シリーズの解答編です。14年がかりの犯人の正体告発です。残念ながら旧シリーズも新シリーズも3巻で終わってしまいましたが。本当に先生の死が悔やまれてなりません。「ヒマラヤの風」も「13の幻視鏡」でも涙があふれましたが、今度は涙はあふれず、ただただ「もう吉村先生の新作は永遠に読めないんだなぁ」という悲しみがあふれてきました。2013/07/28
masayoriA
3
魔界百物語4の第1章を読ませてもらいました。何か人生の集大成的な匂いがする気がしたのは、私だけでしょうか……この続き、読みたかったなぁ。言っても仕方ないことですが……。2013/08/01
みるく抹茶
2
ここで終わってしまうのが本当にもったいない。もっと続けてほしかったな。推理小説としては、トリックもたいしたことないし、人が連続で死ぬこともないつまんない話なのだが、エンタメ小説としては非常に面白い。大きな嘘をつくには、小さな真実を混ぜ込む、という心理的トリックがくどいくらい使われてどれが、本当なのか混乱するぐちゃぐちゃ感がたまりません。2014/02/20
北浦透
2
自分の青春時代の読書の中に、吉村達也さんはいた。特にこの氷室想介シリーズは、ミステリーの驚きをたくさん与えてくれた。 新「魔界百物語」の3作は、どれ一気読みだった。今回は再読だけど、1日で夢中で読んだ。そして、とうとう真相を読めた。 未発表作となった『殺人者の舞踏会』の壮大なスケールには驚くほかなかった。真相は分かった。だからこそ、その真相に至るまで、そして人間ドラマを読んでみたかった。心より御冥福をお祈りいたします。2013/11/10