内容説明
1945年、夏。すでに沖縄は陥落し、本土決戦用の大規模な動員計画に、国民は疲弊していた。東京の出版社に勤める翻訳書編集者・片岡直哉は、45歳の兵役年限直前に赤紙を受け取る。何も分からぬまま、同じく召集された医師の菊池、歴戦の軍曹・鬼熊と、片岡は北の地へと向かった。――終戦直後の“知られざる戦い”を舞台に「戦争」の理不尽を描く歴史的大作、待望の文庫化。第64回毎日出版文化賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
281
本棚に呼ばれた。戦後74年の8月15日、文庫裏を読むとどうやら戦争の話。上巻では前半『赤紙』を発行し届ける役割の悲哀が描かれ、後半は3人の主人公、歴戦の軍曹、若き医師、そして翻訳者が極北の占守島へと向かうくだり。老いた母、愛する妻、真に守るべき対象と別れ戦地に赴く。沖縄が陥落し戦況危ういこの時期になぜ何の為に?そう私達は知っている、あと少しで戦争が終わることを!戦争の悲惨さ理不尽さや不条理を稀代のストーリーテラー浅田次郎ならではの視点で紡ぎ出す!軽いタッチの序章が却って悲劇の前触れのように揺さぶる‼️🙇2019/08/16
おしゃべりメガネ
156
前から読まなければと思っていた三冊からなる大作の一冊目をやっと読了です。前半は正直、ちょっとテンポに乗りきれず、苦戦しましたが、中盤から今後の話の軸となる登場人物達が次々現れると、話はグッと進んだように感じます。なかなか、それぞれに魅力的なキャラがどんどん出て来て、これからの展開が楽しみですね。登場人物の中でも、やはり年齢を重ねた「鬼熊」軍曹や「大屋」老兵が魅力的です。歴戦の強者でありながら、傲ることなく、ストイックに向き合う姿はジワジワとシビれてきます。さて中盤そして後半へと気合い入れて'突撃'します。2021/08/12
黒瀬
110
あの夏、終わったはずの戦争に借り出された男たち。上巻では翻訳書編集者で45歳の片岡、4度目の召集となる歴戦の兵・鬼熊、若き医学生・菊池が招集されるモノローグがメイン。まったりとしたペースで進むので読むのに少々時間が掛かりましたが、いい下拵えといった印象。決戦の地は本州から遠く離れた北の地、占守島―2016/08/23
紫陽花
105
赤紙…。住民票でなくて、本籍地で選ぶんですね。召集を受ける者を機械が選ぶのではなく、顔見知りが選ぶ。冷静に考えると当たり前なんでしょうけど…。なかなかそこまで書いている小説はありません。戦争本を読むことはあったのですが、一兵卒のことをここまで描き切っている小説は初めて読みました。中巻に進みます。2019/11/21
馨
105
東北弁?のような、方言を文字で読むのは結構大変でした。。読み終えるのになかなか時間がかかりました。2013/09/15
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