内容説明
3. 11を経て、日本は様々な不安や不満が鬱積しつつある。その結果、日本国内には不寛容な空気が充満し、ともすれば他者を責めるような社会になっている。そんな時代をどう生きるのか? 鴻上尚史の提言 !
目次
第1章 この国のかたち(抑止力ということ 沖縄と抑止力 ほか)
第2章 3.11からどれぐらい(あの日の記憶 慰問と差し入れ ほか)
第3章 ネットとメディア(ツイッターが揺さぶるメディアの在り方 エゴ・サーチとセルフブランディング ほか)
第4章 「空気」と「世間」(日本は亜熱帯気候である 生き延びるための「休息」と「労働」の意義 ほか)
第5章 ものを創るということ(つかこうへいさんのこと 井上ひさしさんのこと ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
48
厳選というか載せるの選んでるみたいだけど、全部載せてほしいものだと思いました。何か損した気がする。劇団やられてますが、書いてる本は読んでますが、劇は見たことないので、ファンとは言ってもだめな方に入るのではないかと思いました。まじめさ加減とふざけた感じのバランス感覚がものすごくいい人だと思います。あんまり本読んだりとか音楽聞いて、やってる人と会いたいとは思いませんが、数少ない本当に会ってみたい人です。2018/03/29
朝日堂
18
沖縄駐留米軍問題、311、体罰といじめ、国歌斉唱の義務化、原発の是非、在日外国人問題など大きなテーマに、あくまで鴻上尚史個人の意見として書き連ねたエッセイ集。それらとは異なるが「自分をちゃんと笑えると、精神状態は健全に機能できる」という箇所に興味をもった。米大統領が南米の国を訪れた際、反米のデモ隊が「ヤンキー・ゴー・ホーム」のプラカードを持ち歩いている。その最後尾に「私をつれて!(With me)」と書いたプラカードを持った男がいた。このような男がいることでこの国は救われている、というのは分かる気がした。2013/07/29
八百
17
3.11を前後しての連載、軽妙な語り口とは裏腹にいつになくシリアスな内容なのだがなにか物足りない。あの日の大混乱のなか暴動が起きるどころかクラクションや罵声ひとつなく整然と列をなす姿に世界が礼賛した日本人の秩序正しさ…しかしそれはあんな事故を目の当たりにしたにもかかわらずまるで他人事のように原発再稼働に踏み切ろうとするお気楽さの裏返しであることをもっと糾弾して良いのではないのだろうか?その歯に衣着せぬストレートな発言でネットがまた大炎上するであろう不安を楽しんでこそ私たちの尊敬する表現者鴻上尚史なのだから2015/01/24
shishi
8
[A]鴻上尚史の「SPA!」連載エッセイ集。2010~2013年のもの。だけど一本一本には日付の記述が省かれ、カテゴリーごとに分類されて章立てさせられている。話題は東日本大震災と右傾化する日本、物語についてなど幅広くシリアスなものだが、やさしく書かれており、読者に問題提起を行ってくれる。著者は現代日本社会の「空気」を敏感に感じ取り、指摘することで、読者とともに日本はどこへ向かうのか冷静に考えようとしている。2014/02/10
すいれん
5
ざっくり本質、核心をつく文章が好き。こーかみさんって、8割はエロやムダ話だけど、あとの2割は真面目で真摯なんだよなぁ。2016/06/29