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内容説明
「どうせなら、美しく生きてやろうじゃないか。」24歳の天才宮大工・光重朗(こうじゅうろう)が抱えるのは、幼いころ“消えたい”と思った衝動。天真爛漫な兄・みつきと木の神・ニキが気に障るものの、うらやましい……。ある日“おばけ寺”と噂される寺の新築工事が舞い込んでくる。そこに居たのは光重朗と同じく“消えたい”と願う不動明王で? 偉才・有永イネが描き出す、人間の真実!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
12
「なんかカッコイイ完成図が頭の中に見えちゃったからもう作るしかないじゃん」単純がスゴイ!それにしても棟札の神、可愛い!光重朗の神様はふわもふに「うどん」に「おはぎ」。しみじみだよ。2016/04/17
かどま・うみひさ
7
宮大工のお話の第2巻です。今回は1巻の主人公みつき君の弟光重朗君が主に活躍します。弟君は1巻で兄のみつきに対してとてもつんけんしていました。何故そこまで他人に対して距離を置こうとするのか、みつきを目の敵にするのかということがじんわりわかる話しです。超ネガティブな神様とも遭遇し、何事にも冷めきって距離を置きたがる弟君が超頑張ります。宮大工のお仕事というのは、ただ建造物に携わるだけではなく、その背景にいる人々の思いを一挙に包みこむ温かい職業なのだと思いました。兄と弟、二人の成長しようとする姿が微笑ましいです。2013/10/27
ring8789
5
ああなんてたくさんの想いがつまった漫画なのだろう。セリフのひとつひとつ、人物の表情すべてをじっくりと舐めるように味わいつくしたい。 古い社を壊して新築するのか、修繕するのか。建主や宮大工の想いや光重朗の生い立ちが絡みながら、あるべき道が示され光重朗の覚悟も決まる。 光重朗の本当の名前が最後まであかされない。その黒塗りされたセリフの意味。そして本編最後のページと後書き、じっくり見ると素敵な種明かしが。(ああ、本当に素敵だ。) 数々の意匠に彩られたお伽噺のような、謎解きを待つ絵画のような美しい作品だ。2013/05/13
いっぽし
5
一巻を読んだ時は「前の短編集の方が好きかなぁ」とか思ってたんですが、この二巻でがっしり心を掴まれてしまいました。今巻はまるまる弟の光重朗の話で、これが最終巻じゃないかと思ってしまうほど美しいラストでした。寺の娘さんたちが茅葺き屋根を思い出すシーンから最後の写真までもう泣けて泣けて。「なんだこいつボケてんじゃなかったのか」「ボケてた!!」には笑いましたが。あとがきの「木の神一覧」でさらに涙。神様と人間が両思いって本当に素敵だ。これからニキや棟梁のことがどう描かれていくのかとても楽しみです。2013/05/13
はな
3
あんまりな展開に落ちて行くのか!?「役立たず!」の怒号が飛び交うのでどうなってしまうのかと思ったが、コミックスで続けて読むと落としどころは鮮やか。光重朗のかあちゃんはどうもこうもキャラでありながら…これも3巻まで行くと、けっこう隅に置けないお方であったりします。捻って落として、納める技はさすが。樹の神様たちの個性にも笑えます。ほろ苦い。今だからこの作品が出来たんだな、と思いながら最終巻へ。2014/02/02