内容説明
ワインの銘柄を当てる大博打の結末は? 夫殺しの凶器の行方は? ラスト1行に襲いかかるショックとは?……常軌を逸した賭けの行方や常識人に突然忍び寄る非常識な出来事などを、短篇の名手が残酷かつ繊細に描く11篇 【収録作品】 味/おとなしい凶器/南から来た男/兵士/わが愛しき妻、可愛い人よ/プールでひと泳ぎ/ギャロッピング・フォックスリー/皮膚/毒/願い/首
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
475
★★★☆☆ 奇妙な味と評されるロアルド・ダールの短編集。 個人的には特段驚きもなく、その分サクッと読める作品が集められていたという印象。奇妙さもダンセイニ等の作品に比べると地味。とはいうものの、平均点はそこそこ高く、決して悪くはない。特に『ギャロッピング・フォックスリー』は自分にも起こらないとは言い切れないプロットで好みだった。2023/12/27
ムッネニーク
143
70冊目『あなたに似た人 [新訳版] Ⅰ』(ロアルド・ダール 著、田口俊樹 訳、2013年5月、早川書房) 人間の持つ負の側面を拡大して見せてくれる、悪意に満ちた短編集。 徐々に、しかし確実に忍び寄る薄気味悪さを存分に味わうことができる。 「南から来た男」は、日本の漫画にも大きな影響を与えたのではないだろうか。凄まじい切れ味と後味の悪さ。 「首」のクライマックスには息が詰まりそうなほどの緊張感がある。 「メアリー・マロニーはそれを聞いて居間でくすくす笑いはじめた。」 2021/08/04
遥かなる想い
130
奇妙な味のする15篇からなる 短編集。ミニ・ミステリが 好きな人には たまらない本だと思う。(ベスト100で 第5位)それにしても「味「南からきた男」等、賭博を扱った作品のおちは、小気味いいほど。通勤電車の中でひとつひとつ味わいながら読むのにいいと思う・・・
アナーキー靴下
100
お気に入りの方のレビューがとても面白そうで読んでみた。確かに凄い、傑作揃いの短篇集。1篇終わるごとについ読み直してしまう。冒頭ではどんな話になるのか想像がつかないが、結末までくると、何か信じたくないような気持ちになる。書かれている結末は変わらなくても、読み返したら別の解釈ができるかもとか、見逃していた因果応報に気付いて納得できるかもとか、そんな気持ちでつい読み直して、むしろ初めの印象がより強化される残酷さ。『あなたに似た人』…読む人それぞれの見えかたがある短篇集なのだろう。解釈の共有は意味をなさない。2022/05/26
藤月はな(灯れ松明の火)
97
海外文学コミュニティの恐怖本イベントに託けて再読。「味」は仕えている家族に忠実な使用人がいたから良かったものの最後の奥さんの叫びが意味するマイク氏の心境が引き起こすかもしれないことにゾッとする。そして子供を守るために身勝手過ぎた夫殺しを隠そうとする妻が巧緻を巡らす「おとなしい凶器」、横暴な新しい女主人へ反逆する使用人の穏やかさが印象的な「首」にクスリ。そして「南から来た男」は何度、読んでも怖いし、「皮膚」は再読してその恐ろしさに悲鳴を挙げたくなりました。2016/10/07
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