単行本<br> オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

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単行本
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

  • ISBN:9784152093677

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内容説明

「理想主義を掲げたウィルソン大統領は、革命嫌いの人種差別主義者だった」「第1次大戦後にドイツに課された莫大な賠償金は、モルガン家の利益を増やすため」「アメリカの大企業はこぞってナチスに資金援助していた」「日本への原爆投下はソ連を牽制するためで、軍事的な意義や正当性などない」……歴史上、ファシストや全体主義者を打倒したアメリカには、「自由世界の擁護者」というイメージがある。しかし、それは真の姿だろうか?2度のアカデミー賞に輝く、過激な政治的発言でも知られるオリバー・ストーンによれば、それは嘘だ。じつはアメリカはかつてのローマ帝国や大英帝国と同じ、人民を抑圧・搾取した実績にことかかない、ドス黒い側面をもつ「帝国」なのだ。その真実の歴史は、この帝国に翳りの見えてきた今こそ暴かれねばならない。最新資料の裏付けをもって明かすさまざまな事実によって、全米を論争の渦に巻き込んだ歴史大作(全3巻)。

目次

序章 帝国のルーツ―「戦争はあこぎな商売」(「覇権国家」アメリカの光と影 歴史に縛られたくないアメリカ人 ほか)
第1章 第一次世界大戦―ウィルソンvsレーニン(ウィルソン―革命嫌いの人権差別主義者 メキシコ革命とウィルソン ほか)
第2章 ニュー・ディール―「私は彼らの憎しみを喜んで受け入れる」(世界大不況下のアメリカとFDR 「あこぎな両替商」との決別 ほか)
第3章 第二次世界大戦―誰がドイツを打ち破ったのか?(枢軸国の侵略、始まる スターリンのあせり―独ソ不可侵条約 ほか)
第4章 原子爆弾―凡人の悲劇(歴史の流れを変えた発明 核エネルギーへの危惧―アインシュタインの後悔 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

49
オリバー・ストーンは映画監督でハリウッドでは名うてのニューレフトに位置する人物です。私は彼の作る映画は好きでかなり見ています。その彼がドキュメンタリー番組をつくりそれを文章化したのがこのかなり分厚い(三分冊)アメリカの近現代史で第一次大戦から現代までを俯瞰しています。第一分冊は原爆投下までで、かなり著者はそれに批判的です。日本に来た時も広島や長崎を訪ねています。まあけっこう物足りない部分などはありますが、彼の意見を最後まで読んでみようと思います。2014/12/17

かんちゃん

24
【Booklive!】戦争に正義もへったくれもあったもんではない。第二次世界大戦をアメリカ側から語った本書だが、その思いを強くした。利権、名声、人種差別。原爆投下の本当の理由を、アメリカ人のほとんどが未だに知らないという事実に、薄ら寒い思いをする。アメリカ人の中に著者のような発言をできるひと握りの存在があることに、かろうじて希望を感じる。2016/12/11

ぐうぐう

18
同題のTVドキュメンタリーの書籍化だが、ドキュメンタリーの内容を単になぞるのではなく、テーマと情報を深化させ、番組を強烈に補完している。第一巻は第二次世界大戦をめぐるアメリカの役割を照らしていく。監督した映画作品がそうであるように、オリバー・ストーンの視点はアメリカへの疑問だ。「マニフェスト・デスティニー(自明の運命)」という考えが、アメリカは神に認められた国だという思い上がった認識を生み、数々の国家的犯罪行為を正当化し、それを国民が鵜呑みにしてきている現実に対し、ストーンは歴史を見直すことで、(つづく)2013/06/19

しーふぉ

15
オリバー・ストーンってどこかで聞いたことあると思っていたら映画監督としてプラトーン、JFKを撮っているんですね。もうひとつのと書いているようにアメリカでポピュラーな歴史観とは違うんでしょうね。ソ連を牽制するための原爆投下は間違った選択だったです。2014/06/28

壱萬参仟縁

13
アメリカ農民は、1890年代に農民同盟を結成し、人民党ものちに生成した(30頁)。34頁の教室の子どもの人種差別も深刻。1932年、アメリカ南部では都市の黒人労働者の失業率は50%を超えていた(158-9頁)。また、第二次大戦下、アメリカ人は日本人に憎しみを抱いていた(317頁)。日本人へのいじめも横行していた(324頁)。332頁の東京大空襲焼死体の山。悍ましい。痛ましい。その後の原爆投下後の描写は、生き残った人の火傷・・・。言葉もない。日米関係や、TPPとか、米軍基地問題を引きずる今、再考を促される。2013/06/04

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