内容説明
熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに――。「疑問を閃きに変えるには」「“知る”という危険」「決めつけない賢さ」「自分自身の育て方」等々、累計1300万部を超える人気作家が「考えるヒント」を大公開。明日をより楽しく、より自由にする「抽象的思考」を養うには? 一生つかえる思考の秘訣が詰まった画期的提言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
180
毎日、庭を眺めて草や樹を見回り、生物を観察する。種を蒔いたり手入れをしていると、段々気づきが増える。庭はどんどん変化していく。…それは思考と同じ。人間は間違いなく自然であり人工物ではない。発想は自然体から生まれる。無理に庭を作っても、気を抜くとすぐに荒れる。毎日地道に仕事をする人の庭には敵わない。自分の学びや考えを世話しなければ、新しい発想が生まれる土壌は育たないし、また維持もできない。…庭は完成しない。地に足をつけ、根を張り、理想に向かって少しずつ近づいているという意識が大切で、それこそが楽しさである。2020/07/19
kinkin
101
知ることと考えることの違い、具体的に話したり教えるということの前提には抽象的な思考が必要となること。考えることの大切を改めて考えさせてくれた。「なにを考えているのかわからない人」ということばを聞くことがある。こういう場合自分が同じ立場ならどう考えるだろう。いや自分は考えていないのではなく考えているのだと答えると思う。大きな声に押されることなく客観的に自分というもの、そしてモノの本質を捉えるためには知ることよりむしろ抽象的な思考がとても大切なこと。再読したい本。もやもやした考えをこれから大事にしたい。2014/12/29
青蓮
93
何だか年々、自分の頭で考えることが少なくなってきている気がして、その危機感から本書を読んでみました。情報過多の日常生活の中でそれらを鵜呑みにせず、多角的に眺め、吟味することがいかに大切かを改めて実感しました。「頭の中に自分の庭を作る」という発想が面白い。私ももっと色々なことをちゃんと考えられるようになりたいです。2017/02/03
けんとまん1007
85
なるほどなあ~と納得。抽象化することの意味を、改めて考える時間になった。具体化することも必要であるが、最近は、それが短期的・短絡的な傾向がますます強くなっているのではと思う。抽象化し、中長期の視点で考え続け、それから具体化戻る。これを地道に繰り返すことと思っているが、背中を押していただいた気分。その中で、言語化・表現化することも意味があると思う。頭の中で考えているだけでは、そこで止まってしまうこともある。2024/10/25
がたやぴん
73
発想に関する本。著書の中でも読み進めるのに時間がかかる一冊。1行づつ咀嚼し、取り込むのに時間が必要。そうしないと間違えて解釈しそう。抽象的発想、論理的思考、具体的行動の組みあわせで問題に対処しようというもの。その中で抽象的、客観的思考について多く述べている。10代後半から20代前半に出会いたかった本。衝撃を受けたのは序盤での一言。数字は抽象的なもの。確かに、猫を3匹目飼っていると言った場合、子猫かキジトラか血統書付きなのか具体的ではない。複数の数字と描写が重ならないと具体的なデータにはならないな。2016/01/20