内容説明
エラは宮殿の舞踏室をあとに、廊下を歩いていた。たった今、失礼なシークにシャンパンを浴びせてやったところだった。せっかくの皇太子と姉の婚約披露パーティーなのに、家族の悪口を平然と聞かされたのではたまらない。砂漠の国の王子だというそのシークは、ハッサンと名のり、姉の婚約を粗野な一家との不相応な結びつきだと言い放ったのだ。怒りがおさまらないエラは、王宮の通路をなおも歩きつづけた。そのとき低い声がすぐ近くで聞こえた。「つかまえたぞ」ハッサン! つけてきたのね。「あなたなんか怖くないわ!」悪魔のような形相で見おろしてくるハッサンに、エラは身構えた。■1/5刊に続き、8部作〈地中海で恋して〉の2作目をお届けします。さまざまな国の王室にまつわるロマンスを、8人の作家がそれぞれ趣向を凝らして描きます。今回のシャロン・ケンドリックのあとを受け、次回の3作目は2/5刊。ケイト・ヒューイットの登場です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
麻琴
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ヒーローもヒロインも行動が幼稚で好きになれなかったけどヒロインの出産のシーンのヒーローは良かった。さらっと読めて後にほとんど記憶に残らない話。☆22015/04/07
MOMO
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ハッサン君ったら、エラちゃんと共にしたベッドから、まさかの遁走!ヒーローが逃げたわぁーー!これはどこから見ても戦略的撤退などではなく、完璧に遁走!しかも自国まで逃げ帰ったのよ!おまけに、恥ずかしげもなく部下にエラちゃんの服どころか下着まで用意させてるぅ!こんな男がシークだなんて!!そのくせ、エラちゃんが連絡取りたがってると聞いた途端に、いそいそと彼女のオフィスに乗り込んで、勘違い丸出しのセリフをはきまくってくれるのよぉ!もう、笑うしかないわ!!2013/04/22
akiyuki_1717
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思い上がりも甚だしいシークのヒーローと、破廉恥極まりない家族を持ち、貧しい生活と虐げられてきた母親を見てきて、結婚に興味のなかったヒロインが、互いに嫌いながら体を求め合いヒーローの方がそそくさと自国に逃走するという情けない出だし。ヒロインは家族を疎ましく思いながら結局は良いところを見つけ出し良い方に考えるんだけど、何処を取っても納得できない内容だった。終始互いに考えることはベッドの中のことばかりで、妊娠はストーリーのエッセンスでしかなく出産シーン以外は読む価値なしと言い切っていいと思います。2022/02/12
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