内容説明
古代史とは「日本」の深層を探ること――日本という国号はいつ成立したのか? 大王家はなぜ天皇へと変わったのか? 万世一系に断絶はなかったのか? そして最大の謎、『古事記』は果して偽書なのか? 縄文以前から国家としてのシステムが整う天武・持統朝まで、通史として俯瞰し見えてくる新たな歴史像! 下巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
35
図書館本。予約順位の関係でこの「下」から読んだ。古事記が偽書であるという説をまず論破する。続いて日本書紀などの資料をもとに日本の古代を探る。東アジアの動向に連動する島国日本の大和朝廷がいかにして日本国成立を確立するにいたったかを詳述する。歴史学者の著者のたぶん集大成的な書ではないかと思う。さて、次は「上」、と思ったが予約が入っていてまだ読めない。本当はその「上」だけ読みたかった。「天皇とは何ものか」という副題が付いているからだ。私の勝手な想像では朝鮮半島から渡来した王族。この著者はどう見るか。楽しみだ。2018/07/07
こぽぞう☆
20
上巻を読んで下巻までずいぶん時間をおいてしまった。日本古代史の王道です。古事記は偽書じゃないし、聖徳太子は存在したし、天智天皇と天武天皇は同父同母の兄弟だし、安心して読める。新書なんかで出てくるアレな古代史読む前に読んでおきたい。2016/05/14
謙信公
12
上田史学集大成の下巻。継体朝(実際は飯豊女王)から天武・持統朝まで、東アジア世界に連動する島国日本が、いかにして「日本国家」を確立したかを論じる。『古事記』は偽書か?の問いには、伝承の全てを虚構とするイデオロギッシュな見方や考え方にはくみせず、「削偽定実」の文献批判をなせば、国内外の文献伝承や発掘調査の成果、民俗学研究などを補完し、総合して古代史の実像が明瞭となるとする。日本古代史(古代学)研究には、歴史学、考古学、民俗学、文化人類学、文学などあらゆる学問を深掘りした総合的な解釈の必要性を改めて痛感した。2024/08/24
koji
9
上巻より読み易くなったとは言え難解でした。しかし深く深く考えさせられました。天武・持統朝を主軸とする律令体制の仕組みは、大宝律令の完成によって結実したが、飛鳥浄御原宮から藤原京の時代は和魂漢才の日本文化が成立した時代であったとの認識を胸に、結論にあるように、「日本国と日本文化の成立をうながした天武・持統朝をいま以上に再評価すべきではないか。」という視点を考え続けることが日本人論の源流に繋がるのでしょう。いつか再読する時がくるのでしょう。上田史観の奥深さ。2013/09/16
まさにい
5
正直に言って難しかった。古代史の基礎知識がないものだから、イメージしにくかったことによる。日本が東アジアの中華思想を持っていたとする考えにはなるほどと思った。が、これは中国と対等に外交を使用とする聖徳太子の意向だったのかなぁとも思う。倭から日本への過程もなんとなく分かった。が、倭の意味が従うという意味であることをどこかで読んだので、そこから東アジアの中華思想がどこから生まれたのかも知りたくなる。この本を読んだ動機は天皇制とは何なのかという点を知りたかったのだが、そこらあたりは、これからの課題として残った。2023/03/26
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