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内容説明
アメリカ人にとっては、ふだんは、ほとんど意識すらされない彼らの血肉となっている思想、それがプラグマティズムである。実際に「プラグマティズム=知識のあくなき実践」はアメリカ社会において、ありとあらゆる局面で見られる。その結果、失敗も多くあれど、イノベーションが繰り返され、社会に大きなダイナミズムが生まれているのもまた事実。アメリカを動かしているプラグマティズムを知る格好の入門書。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
28
《政治でも経済でも、とにかくプラグマティズムがアメリカ人の思考の大事な部分を占めていることは確かなようです。プラグマティズムとは、一般に「実用主義」とも訳されるように、生じた結果によって意味を決定しようとする考え方のことです。日常的な用語として、「あいつは実を取るやつだ」というようなニュアンスで、「プラグマティック」という語がよく使われているのです。》相手のコンテクストを知らなければ、ビジネス何て出来るはずがありません。それは、個々の性格ではなく、歴史や文化の中で埋め込まれたものだからです。 2012/12/01
白義
16
第二章までは要点ながらプラグマティズムの基本的発想法を極めてわかりやすく描いていて相変わらず思想解説者としての著者の力量に感嘆する。「思考や思想すらもそれが生み出す行為や結果によって測る思想」こそが民主主義や自由主義以前のアメリカ的思考の下部構造である、という指摘もなかなか慧眼な気はするのだが、しかしそこから具体的にプラグマティズムから見るアメリカ論に移行するとこれがとても陳腐な部分が多いのも否めない。最終章で脱原発デモを評価して以降はかなり空虚と著者の長所短所がくっきり浮き彫りになっているがいい本である2016/08/12
Gatsby
14
アメリカのリベラルと保守の歴史など、初歩的なこともおさえつつ、プラグマティズムの考え方が具体的にどういう形で表れているかということも書かれていて、理解しやすかった。それを読んで、アメリカという国がいかに「したたか」であるかということの理解も深まったし、その、したたかな国との付き合い方も考えさせられた。実際、日本はそのしたたかさに全くと言っていいほど対応できていないのだと思う。プラグマティズムの考え方は、日本的発想とはずいぶん異なる部分もあろうが、「知識のあくなき実践」という考え方を知る必要は大いにある。2012/12/30
ネムル
13
ちくま新書『プラグマティズム入門』の単調とも難解とも言える読みにくさから、こちらに移る。理論面はざっくりした解説で、後半から実践面やビジネスの方向に流れる。それはそれで正しいのだが、単にビジネス本を読めばいいんじゃね?という薄味さ。つまらん。2018/11/26
Ex libris 毒餃子
8
プラグマティズムを下部構造として捉える考え方は新鮮であった。2022/05/14