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内容説明
私たちの体、住んでいる地球、そして宇宙。この世に存在するものはすべて、元素同士の化学反応によりできています。これら自然科学の摂理を凝縮した万能の道具が、周期表です。元素たちが並んだ周期表のルールは、複雑そうに見えてシンプル。縦と横のどっちから攻める? なぜ人体は取り込む栄養素を間違う? 元素の化学進化って何?――難しそうだけどなぜか気になる、そんな周期表の仕組みわかる入門書。
目次
第1章 周期表には何が書かれている?
第2章 周期表から宇宙を読み解く
第3章 化学反応を繰り返す人体
第4章 私たちはなぜ、動くことができるのか
第5章 レアアースは“はみだし組”ではない!
第6章 美しき希ガスと気体の世界
第7章 周期表からリスクと健康を見きわめる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙
64
宇宙に存在する元素、地球に存在する元素、人体に存在する元素は密接に関係していることがわかります。なぜなら地球上で生まれた元素はなく(核分裂などの稀な例外を除く)すべて宇宙にあるものから人も構成されているからです。周期表が大きな意味を持つのはこの表が各元素の電子配置を示している点です。人体の仕組みも原子がより安定した状態になろうとする電子のやり取りに大きく依存しています。人の神経伝達はナトリウムイオンとカリウムイオンの移動でありこの2つの元素が無ければ人体は単なる抜け殻に過ぎません。2023/02/28
たー
33
周期表の面白さが日常(特に医療関係)と結びつけて分かりやすく書かれており、なかなかの良書。2013/06/01
白義
23
一見すると無味乾燥な元素周期表にこそ、人体から宇宙までありとあらゆるものの歴史と化学的メカニズムの真髄が詰まっている、という魅力的な視点から書かれた化学入門。地球や生命の誕生、セシウムやストロンチウムがなぜ体に悪いのかといった時事ネタからヘリウムガスで声が変わる理由まで、周期表一つをネタにここまで魅力的な雑学を散りばめそのシンプルな完成度と美しさを伝える素晴らしい筆力である。「人体がよく使う元素の真下にある元素は有害な場合が多い」など独自の法則や覚え方も飛び出して最後まで全く飽きさせない、趣向をこらした本2016/03/14
安部圭二
19
元素周期表みて、しびれる人ってなかなかいないと思うんですけど、この世になるものは現在知られている約90の元素で成り立っているっていうことには私もしびれました。しかもそれらの元素は地球上で新たに生まれることはない、って事も。他にも何故セシウムなどが体に害を及ぼすのか、何が体は求めていて、何が毒なのかを周期表みて紐解くことは面白かったです。お勧めです。2016/06/22
かいゆう
18
元素の構造、そもそも周期とは何なのかという部分がとても分かりやすく、周期表の並びの意味を理解することができました。飛行船には水素でなくヘリウム、はやぶさの推進剤はクリプトンやラドンではなくキセノンが使われたなど、他にも性質の似た元素があるにも関わらず、どうしてその元素が使われているのかなど、どの話もとても興味深いものでした。また著者は医師ということで、身体の構造や病気と元素の関係など身近な部分と関連して書かれているものが多く読みやすかったです。ますます元素に魅力を感じ、元素をもっと知りたいと思いました2014/04/11