山内一豊の妻の推理帖

著者名：鯨統一郎

光文社（2014/03発売）

• ISBN：9784334764609
• NDC分類：913.6

内容説明

「ご亭主殿は、一国一城の主になるおかたです」織田家馬廻役で禄高五十石にすぎない山内一豊を内助の功で出世させた妻・千枝。「賢妻」は実は名探偵でもあったのだ！　織田、豊臣、徳川と天下人が入れ替わり、裏切りと密約が横行する戦乱の時代。次々と起こるお家の一大事を、閨の交わりの後に生まれる妻の名推理で、一豊は解決に導く。鯨流歴史ミステリの真骨頂！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[gonta19]

2012/9/3 Amazonにて購入。 2024/8/4〜8/6 賢妻の誉高い、山内一豊の妻を主人公にした連作推理短編集。現在伝わっているエピソードを基に、一豊の主君たちが抱えた謎を妻の謎解きのおかげで一豊が解決し、出世していく。鯨氏らしいサクッと読める佳作。

2024/08/06

[はらぺこ]

山内一豊（やまうちかつとよ）の妻・千枝が安楽椅子探偵（？）になって謎を解き、一豊を一国一城の主にさせる話。　一豊の妻の名は千代が有名らしいが定かでなく、養子・忠義の実母の名であるという説もあるらしい。　一休さんは座禅、あばれはっちゃくは逆立ち、この千枝は一豊とのセックスでイクと閃きます。こう書くと18禁みたいやけど、釣りバカの合体に毛が生えた程度の描写やからエロくはない。　内容的には急に謎が解け過ぎるので読み応えが無い。

2013/04/06

[coco夏ko10角]

山内一豊は名前くらししか知らず、今回初めて知ることばかり。この人の立ち位置での織田や豊臣、いくつもの戦の見え方が面白く感じた。歴史ミステリも楽しめた。

2020/10/02

[onasu]

鯨版の山内一豊と妻。例によって、こうであったかもしれない、て真偽の程はさておきの鯨流解釈。出世物語は進みが速いこともあり、あっという間に。　　山内一豊の妻と言えば、馬揃えに備えて新な馬を購う大金を捻出した、て内助の功。でもここでは、一豊が困り事を話しておいて、閨に入りお互いに達すると、その刹那妻に天啓が…、ておいおい何でもそれでかよ！、てのもありいの、その効もあって、国持ち大名にまで。　　こんなにキーマンなのに、大河「軍師 官兵衛」では見た覚えないぞ…。まあ、その辺も歴史もののお楽しみ、てことで。

2014/08/31

[TheWho]

小禄の侍から土佐藩主に上り詰めた山内一豊と、日本史上最高のあげまんと云われる賢妻千枝（千代？）の活躍を描いた鯨統一郎版「功名が辻」。織田信長毒殺未遂事件の真相究明や秀吉暗殺未遂事件、一豊の名馬購入と石川五右衛門のｴﾋﾟｿｰﾄﾞ、小牧長久手敗戦の真相、伊達政宗の陰謀の真相、そして関ヶ原直前の軍資金紛失に絡む奥女中若返りの真相等の難題を千枝が名推理で解決し一豊を出世に導く7編の連作歴史ﾐｽﾃﾘｰ。何れも作者らしい歴史の逸話を馬鹿馬鹿しく描写し、面白可笑しく、かつ艶めかしく綴った楽しい一冊です。

2016/05/21