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内容説明
70年代の象徴・山口百恵のアンチテーゼとして80年に登場した松田聖子。二人のデビューの背景、衣装、歌詞、結婚観などを分析し、50歳となった今もなお女性たちを惹きつける「松田聖子」を読む。『結婚の条件』の小倉千加子が、二人の傑出したスターを通して現代女性の生き方について鋭く考察するフェミニズム入門書にして、徹底的な検証に基づくエンターテイメント・超アイドル論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
42
『持続可能な魂の利用 』を読んで、著者名も含め想起したのが、この本。でも、この読メの過去レビュー読ませて頂いても、誰もこの本に言及していない。もう昔の人なのかなぁー。わたしは(批判はありましたが…)『セックス神話解体新書』など、面白かったけどねぇ……。<この本はフェミニズムのパロディ本でもある。性はもともと胡散臭いものだ。その性から出発したはずのフェミニズムが、胡散臭さを嗅ぎ取る嗅覚を捨ててしまったら、フェミニズムはピューリタンたちの殿堂と化してしまうだろう>と。このような書き方するところが、好きです!⇒2020/12/03
オサム兄ぃ
6
昨年読んだ「醤油と薔薇の日々」の一見下世話な話題から鋭く世間と切り結ぶ論評が面白かったので、著者作品を遡って手に取った。<翼の生えたブーツ>で80年代を駆け抜けた松田聖子を分析することで、時代と女性をフェミニズムとそのパロディーの視点から語る手法はお見事。時代を代表するアーティストたちが作り上げたコンセプト、<風のある風景><色彩の氾濫><どこにもない場 所><気の弱い彼><ママへの裏切り>は、今も切なく、懐かしく感じるのは彼女のデビューと高校入学が重なる世代故だろうか。2014/01/30
こもれび読書録
3
著者は心理学者であり、「あとがき」にあるようにこの本はフェミニズムの本である。タイトルは「松田聖子論」となっているが、中味の半分は「山口百恵論」でもある。やはり、松田聖子を語る時、山口百恵は切り離せない存在なのかもしれない。フェミニズムの立場から聖子的生き方と百恵的生き方を比較するのと同時に、二人が歌ってきた歌の歌詞や、楽曲を提供した作詞家・作曲家との比較も味わってください。PB2023/09/17
つみれ
1
「赤いスイートピー」の「翼の生えたブーツであなたと同じ青春走ってゆきたいの」って聖子ちゃんに見つめられながら言われてえよな…ってなって大好きなんですけど、「ちょっぴり気が弱いけど素敵な人だから」と言われる自分についてかなり見方が変わったな。▼存命の人についてこんだけ性がどうとか考察すんのグロ…と戸惑ったんですけどアイドルとはグロいもんな。2021/05/10
Gen Kato
1
歌詞の解釈、論の展開、ともにかなり強引なのは、作者自ら「パロディ」と言っているから、計算づくでしょう。つくづく「聖子ちゃん」は80年代を体現した「アイドル」だったんだなあ。2016/12/01