内容説明
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムにサイコパスが紛れこんだとき──。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
733
対のカラスをフギン(思考)とムニン(記憶)と命名する辺りから既に秀逸さを感じた(笑) 久しぶりにドキドキしながらページを捲ったなぁ。 ハスミン怖ぇ〜〜。どういう結末になるのかワクワクしながら下巻へ。2016/02/24
遥かなる想い
631
2010年度このミステリーがすごい!の国内一位の本が文庫化されたのでさっそく購入して読んだが、やや英語英語教師 蓮実聖司の人物造形が弱い感じがする。下巻の展開に期待。2012/11/04
ミカママ
461
帯に伊藤英明が不遜にほほ笑む写真があったので、どんだけエグいのだろう、と期待満々で読み始めました。案の定、リンチシーンとかすごいね。読んでるこっちの骨までギリギリ音を立てそうでした。さぁ、このサイコパスの行方は?!一気に下巻へ。2013/04/19
sk4
440
これは! サイコパス(日本の法律では精神障害者と定義されており、凶悪殺人犯や強姦殺人犯、重度のストーカー、常習的詐欺師・放火魔・窃盗犯、カルトの指導者などに多い精神病質者)が主人公という恐ろしい本! それも主人公の心情まで事細かく描写されている。「飲み会の金足んねーわ、銀行で下ろそ」ぐらいの軽さで人を殺す。 『青の炎』では追い詰められた高校生が半ば衝動的に完全犯罪を目論む心理を描いていたけど、『悪の経典』では最初からサイコパス。 分厚いけど一気読みです。2012/10/19
青乃108号
429
カラスの鳴き声で毎朝早朝起こされる男。最近、誰かの短編で同じシチュエーションの話を読んだが、誰の本だったか。それは兎も角として、その様に幕を開ける物語は、男が黙々とカラス抹殺装置を製造する辺りから徐々にその頭角を現し始め、男が実は共感性欠如のサイコパスでありながら英語教師として女生徒にモテモテという真に羨ましい仕事をしつつ鼻歌でも唄いながら同僚を次々殺しまくるという地獄のような狂気の活躍を見せる。やっと半分終わった。これから後半、ますます酷くなるであろう男の悪行を読まされると思うと実は楽しみで仕方がない。2024/12/05