内容説明
経済・社会を一瞬にして「死」に至らしめる大停電=ブラックアウト。大飯原発、浜岡原発の再稼動や電力不足が取り沙汰されるなか、まったく語られていないことがある。それは電力マンの本音だ。電力会社で働く人々は、いま本心で何を考えているのか。現場では何が起きているのか。本書はマスコミの電力バッシングから距離を置き、あえて正面から当事者である電力会社の社員たちを取材した一冊。「オフレコで聞いた生の声も多数掲載したが、それくらいの“本音”でなければ描く価値もない」(「はじめに」より)。ブラックアウトを回避すべく、電力を確保したい、社会を安定化させたいという思いはどれほどなのか。供給側から見たほんとうの電力問題がここから見えてくる。【内容】第1章 火力発電所の「廃墟」にて/第2章 東北電力の信念/第3章 知られざる大赤字/第4章 自然エネルギーの実力はいかに/第5章 夢の放射能除去/第6章 「正しく恐れよ」
目次
第1章 火力発電所の「廃墟」にて―人知れず忍び寄っていた“ブラックアウト”の瞬間
第2章 東北電力の信念―女川原子力発電所が危機を脱した理由
第3章 知られざる大赤字―このままでは年に約三兆円もの国富が日本から流出する
第4章 自然エネルギーの実力はいかに―ソーラーパネルは救世主なのか
第5章 夢の放射能除去―日本の原子力政策は二〇五〇年を夢見た
第6章 「正しく恐れよ」―進む安全対策、進まぬ政策決定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Matsui Kazuhiro
3
電力の需給バランスの維持やエネルギー安全保障を考慮したエネルギーのベストミックスの重要性について丁寧に扱われいる点が良い.基本的にはフェアな姿勢で震災以後の現状についてが書かれているので色んな人が目を通せば議論の土台になっていいとは思う.#802015/05/24
焼酎と日本酒の合性
2
電力問題を考える上で読んでおきたい一冊。電力会社の現場の苦しみが伝わってくる。ぜひとも脱原発派の方々も読んでほしい。2012/12/11
inakyon
2
とても興味深い内容だった。『正しく怖がる』というのは、私が震災後ずっと感じていたこと。偏った情報かつ感情的な意見を公共の電波で運ぶのは如何なものか…と感じてはいたものの、初めの一冊(教科書)はどれがよいのかわからず、なかなか手を出せずにいた。環境問題だけが騒がれがちだが、社会がある限り経済と切り離して考えるわけにはいかない。ご都合主義的な『これも嫌だけどあれも嫌!』ではなく、何かを得るには何かを犠牲にしなければいけないというのを正しく認識していく必要がある。これからも継続して、勉強をしなければいけないなと2012/12/06
tiki
2
震災後の日本の電力事情について分かりやすく解説されている。バランス感覚を保つためにも読むに値する本。原発を「正しく恐れる」ために。2012/08/03
Yoshiki Ehara
2
東電を弁護する気は無いが、ヒステリックな魔女狩りには荷担したくない。そう思っていたところで、本書が出版された。 火力発電は原発の代わりになるか?そのコストはいくらか?コストを負担するのは誰?再生可能エネルギーはどこまで利用できるの? どのマスコミもスルーしてきた疑問に、本書は定量的かつフェアに答えてくれる。 そして、本書の読みどころは、現代社会を支えるために努力を積み重ねてきた電力マン達の真摯な姿勢だ。それだけに、福島の事故(人災だが)を防げなかった現場の電力マン達の苦悩に涙が出そうになった。2012/07/06




