内容説明
老いや病い、死の苦しみから、人は目を背けることができない。かくも絶対的な苦悩を宿命づけられている私たちが、それでも安らかに生きるにはどうすれば良いか。仏教の始祖ブッダは、世界は原因と結果の因果則でしか動いていないことを悟り、苦しみを正しく受け入れることができるように「自分の心の在りよう」を変えていくことが、苦悩から解放される唯一の道だと説いた。現代における“処方箋”として、「釈迦の仏教」の本質を読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
54
ブッダの教えがわかりやすく書いてあります。さっそく無我の境地に到達すべく瞑想にふけてみます🧘♂️。瞑想とは何も考えていないというのとは違いますね。それだとただのアホですから😱瞑想中は他から見るとただボーッとしている人に見える恐れがあり、カミさんに「そんなとこでボケ〜ッとしてないで掃除の邪魔だからどいてッ‼️💢」と言われるので注意が必要です😭そして一番の問題が5分もすると飽きてきちゃうことですね🤣そんな私が悟ったことは、悟りを開くよりもまず先に、人に心を開くことがもっと大事なことだということ✌️2020/12/01
ホシ
25
100分de名著ブックスの『般若心経』につづいて『真理のことば(ダンマパダ)』を読みました。心に響く言葉がたくさんあった!超越的で絶対的な救済者を信じにくい今は、大乗仏教の「救済型仏教」よりも、オリジナルである釈迦の仏教(自己変容型仏教)が受け入れられやすい。これまでのアメリカにおける仏教ブームを見よ、という佐々木閑さんの分析には深く共感しました。ただ、自己変容型仏教の陥穽を見抜いたのが大乗の一つである浄土教だということを、私は忘れないでほしいと思うけどね。ダンマパダは邦訳が多いので他も読みたいです。2020/05/08
舟江
21
我々日本人は仏教を良く知らない。それは釈迦の仏教を変節し「凡人には理解困難な、より高次な世界がある」と主張するようになったためだという。非常に良く解った。騙しのテクニックである。日本の仏教界は、タブーとされている葬儀の上に胡坐をかいているだけ。これでは衰退する訳だ。(世界を相手にできる代物ではない)2016/09/27
takehiro
17
釈迦の仏教は他者に救済を求めるのではなく、自己鍛錬によって自分を鍛え自分自身を拠り所とする厳しい教えとのこと。「ただひ一つの自分自身に勝つことのできる者こそが、最高の勝者である」これは本当に厳しい・・。2023/10/22
世話役
16
中村元訳『ブッダの真理のことば・感嘆のことば』の副読本として、読むというよりは参照した。解説にあたっては既存の訳書に依らず、著者が新たに当該原始仏典のトピックを訳出しているため、新鮮な訳や知見に基づいて読めるという利点もある。著者は浄土真宗の寺に生まれながら科学者を志したユニークな経歴の持ち主。浄土真宗というとブッダ=阿弥陀如来という印象があるのだが(真宗の方、違ったらすみません)、その寺に生まれた著者が「シャカの仏教」を解説するのも面白い。中村訳書や友松訳『法句経』を読みほどく際にあると便利な一冊。2015/04/23