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内容説明
嵯峨侯爵家に生まれた美貌の姫君・浩。軍部の政略から満州国皇帝弟の溥傑に嫁ぐが、終戦後は夫と離ればなれになり次女を連れて混乱する大陸を流浪。帰国してからは物資不足の苦しい生活、そして長女の死……。日中のかけはしとして、激動の人生を生きぬいた、ひとりの女性の自伝的昭和史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
37
◎一人の女性を通じて激動の昭和の一面がみられます。品のある語り口ながら厳しい中を生き抜かれたことが伝わりました。関東軍の横暴ぶり、終戦後の流転、天城山の悲劇、再会、周恩来の配慮が印象に残りました。2023/01/16
崩紫サロメ
26
清朝最後の皇帝の弟・溥傑に嫁いだ日本人華族の自伝。随分昔に読んだが、改めて読み返すと胸が痛むことが多かった。満州国の崩壊を彼女は満州で迎えるのだが、そのときの日本政府の無責任さ、親族を売り渡して生き残ろうとする義弟(この息子がまた文革でも皇帝一家に自己批判を強いる)、戦争の時代が終わっても、長女慧生につきまとい無理心中を遂げる男。どこを読んでも人間の愚かさや弱さに満ちていて、その中で強く温かく生き続けた著者夫妻には敬意を覚える。2020/06/27
mm
23
嵯峨侯爵のお嬢様が、満州国皇帝溥儀の弟君溥傑に、関東軍の思惑で嫁ぐ事になる。幸い溥傑氏は好人物で、浩さんは夫との深い信頼関係で結ばれ、満州国へ渡る。しかし、敗戦、夫と離れての大陸を流浪、帰国、長女の死、中国への帰国、夫との再会、文革と苦労のエンドレス。お嬢様はダテではない。胆力、気力、人望、人脈、勘、知性と教養ナドナド身につけた財産で人生の荒波をくぐり抜ける。しかし、日本人であり満州人であり、中国人であり、宮家に近いとなれば、戦後の混乱期ではどっちを向いても敵になりそうな情勢の中、ホントよく生き延びた。2016/09/16
うさみみ
13
面白かった。 時代に翻弄された女性の話。 政略結婚だけど、溥傑さんが良い男性でホント良かった。 これが、実際にあった話なのだから怖い。2020/10/06
mimi
12
横暴で卑怯で愚かな関東軍。老後の夫婦の生活が穏やかな幸せに包まれていて素敵だった。2015/04/06