内容説明
フランス資本の多国籍企業ウォーター・エンバイロンメント社(WE社)が水資源を牛耳る北東京市。深刻な水不足でテロが頻発する中、貧しい市民に十分な水が供給されず、しかも幼児に謎の病が蔓延し、水道水を飲んだことが原因だという噂が広がっていた。その原因究明を命じられたWE社の社員・海原剛士は、調査に訪れたダムで突如発生した高波に呑み込まれ、地底に広がる自然豊かな「水の国」にたどり着く。そこで剛士は衝撃の事実を知らされる……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isagawa
5
ううーむ。。。前半は面白かった。近未来、財政難の自治体、水道事業の民間委託、企業論理の利益優先で切り捨てられていく水難民… さすが江上剛、近未来のフィクションでも細かい設定、描写がリアル!! だったのだが、後半はファンタジーに!? そのあたりからちょっと入り込めなくなったな~f(^_^) やはりファンタジーは別ジャンルとして描くスキルがいるんだろうなぁ~と思っちゃいました。 江上剛には、また企業小説を期待しよう! 『我、弁明せず』とかは良かった♪♪2015/03/07
しのはら(か)
3
「水の国」が出てきたときのいやな予感を信じきることができず・・・。そこで損切りすべきでした。時間を返してほしいレベルは久しぶり。2013/05/30
ユウスケ
2
小説としての在り方を途中で見失ったような作品。水道民営化に警鐘を鳴らすところから、どうしてこうなるんだろう、と展開に疑問を持たざるを得ない。確かにこのテーマでは堅くなりがちなので読ませるための展開を、と言うのはわからないでもないんですが、迷走は否めないですね。あと「北東京市」とはどこ?と言うのは関西在住の人間にとっても謎で、ずっとモヤモヤが取れず。埼玉との県境にあるのが推測できても、そこの地域的な特性は結局描かれなかったので、位置を特定できない自治体名でよかったのではと思うところ。
ぷらった
2
水道事業の民営化という恰好の小説題材に惹かれて手にした一冊だったが,「なんでそうなるの???」というシーンが多くて,がっくり。大人が読む本ではない。2018/11/10
じお
2
★☆☆☆☆ 近未来、水不足が問題になった世界を舞台にしたフィクション、からの選ばれた戦士たちの戦いを描くファンタジー作品、なんだこれ。 前半部の近未来パートもチープ感がありますが、中盤から後半にかけてのファンタジーも、酷い。世界観の作り込みの甘さ、描写不足、駆け足、キャラの魅力の欠如、etc…。褒めるところといえば、物語の構成自体は意外性あって面白いかもしれません2014/10/24