内容説明
「興味があるのは殺人事件、凶悪犯罪、そして『完全な犯罪』だけよ」
腰まで伸ばした長い銀髪と赤い瞳が特徴の女子高生、譲羽恋深。その恋深が部長を務める『犯罪研究部』略して『はんけん』に足繁く通う何事にも平凡で、すべて平均より三センチ上という程度の八ヶ岳理人。高校生の部活にそんな大事件が舞い込むわけもなく、『はんけん』には平和な空気が流れていた。しかし、ミステリー研究会から小説の後半部分を探して欲しいという簡単な依頼が、大きな事件へと発展していく……。対照的な凸凹コンビによるサスペンスストーリー登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yobata
17
町で起こっていた事件を難なく解決したという天才の譲葉恋深に学校で突然襲われ,彼女が部長を務める「犯罪研究部」に勧誘された平凡な青年・八ヶ岳理人。凶悪な犯罪を待ち望むもそんな事が現実に起きることもなく平和な毎日を過ごしていた時、ミス研から持ち込まれた小説の後半を探してくれという依頼がある事件へと発展し…。今作の探偵役・譲葉恋深は推理をして犯人を導き出すのではなく、犯人が最初からわかり動機や過程を後付けするという意味で推理しない名探偵。それを“能力”の一言で片付けて矛盾も反論も一切受け付けないのは斬新と→2014/06/01
ごぅ。
7
ミステリというか異能もの?うむ、わからん。。2018/04/29
1_k
7
ミステリからミステリ分を抜いてつまらなくしてみました、な感じの一冊。わざわざ推理しないような設定にしたメリットが何一つ分からなかった。肉抜きネギ抜きの牛丼みたいなもの。キャラや掛け合いもこなれているとは言いがたい。このレーベルの中ではマシな方だが……。2012/11/18
ブナ太郎
5
名探偵は推理するのではなく、はじめから真相を知っている。後は、その真実に沿うように推理しているように見せかければいい。いわば、名探偵は作者だけが持つ「神の目」を最初から持たされているのだ。そんな暗黙の了解をはっきりと露にし、隠すこともしない探偵が登場する。その名は、“譲羽恋深”。内容的には、「電波的な彼女」によく似ているなと思った。これには及ばないものの、キャラがよく立っていて、事件も王道的で悪くない。「月見月理解の探偵殺人」シリーズが終わってしまい、何かキャラが立った探偵物を探していたので、これはそれに2013/02/27
マギカ鍋
5
殺人事件や凶悪犯罪に執着し、たった一人で犯罪研究部を勝手にやってる横柄な美少女に気に入られ、いつの間にか引き込まれる主人公。ミステリー研究会からの依頼が意外な展開を見せる。探偵という存在の反則的優位性をキャラに求めたアイディアや極端ではあるが偽善性の考察はかなり興味深いがそうした物語の主張が曖昧で弱いような気がする。続くようなので隠してる部分もあるのかもしれないが。主人公に好意を寄せる後輩の女の子はちょっと魅力的ではあるけど。2012/03/25