内容説明
女性にまつわる言説はなぜ良・悪という二項対立の構造でしか語られてこなかったのか。「悪女」や「良女」という概念を、文学作品や美術作品、女性芸術家、モダンガール、戦後の街娼表象などから検証し、女性身体とその表象をめぐる力学と社会構造を解き明かす。
目次
序文 笠間千浪
第1章 奴隷制擁護の小説とマミーの身体――「反アンクル・トム小説」から『風と共に去りぬ』へ 山口ヨシ子
1 黒く巨大でアセクシュアルな身体
2 黒人奴隷の身体描写が示すもの
3 「反アンクル・トム小説」における乳母の多様な身体
4 児童向け図書と奴隷体験記における黒人乳母
5 黒く巨大でアセクシュアルな乳母へ
第2章 踊る女の両義性――ロイ・フラー『サロメ』を中心に 熊谷謙介
1 倒錯の女か、「新しい女」か?
2 サロメ/ヨハネの二元論
3 オスカー・ワイルド、あるいはゲイが「演じる」サロメ
4 ロイ・フラー、あるいは〈良女〉としてのサロメ?
5 トランス‐フォーマンスする身体
第3章 マリアンネ・ブラントのフォトモンタージュ――バウハウスにおける〈もう一つの身体〉 小松原由理
1 『me』、あるいはバウハウスへの挑発?
2 バウハウスとの出合い
3 バウハウスのフォトモンタージュ
4 ブラントによるフォトモンタージュと〈女たちの身体〉
5 『me』、あるいはバウハウスにおける〈わたしの身体〉
第4章 消費、主婦、モガ――近代的消費文化の誕生と「良い消費者/悪い消費者」の境界について 前島志保
1 消費者二例――「消費者」としての主婦、モガ
2 婦人雑誌と消費者の誕生/創造
3 消費者としてのモダンガール
4 消費者の分節化――主婦とモガから見えてくる日常的近代性がはらむ問題
第5章 占領期日本の娼婦表象――「ベビサン」と「パンパン」:男性主体を構築する媒体(ルビ:メディア) 笠間千浪
1 日本占領期研究におけるジェンダー的視点
2 「占領軍慰安婦」制度と戦後日本のジェンダー秩序
3 占領改革と「女性解放」――GHQの〈ダブル・スタンダード〉
4 GI・イン・敗者の国――「現地の女」の形象〈ベビサン〉
5 〈女の身体(ルビ:パンパン)〉をめぐるポリティクス――「占領期性的ナラティヴ」と「肉体小説」
6 「敗者」と「勝者」の〈メディア〉としての女性身体/表象
第6章 狼少女の系譜――現代美術における赤ずきんの身体表象 村井まや子
1 赤ずきんの身体の両義性
2 赤ずきんの狼化――アンジェラ・カーター
3 狼少女の系譜――ヤズミナ・ツィニナス
4 少女・狼・森――鴻池朋子
5 狼少女の逆襲
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
みかん
-
- 電子書籍
- 最後のチャンス! 事業承継税制―特例承…
-
- 電子書籍
- 指定管理者制度 問題解決ハンドブック
-
- 電子書籍
- ワールド・フィギュアスケート No.8…
-
- 電子書籍
- ガラスの仮面 41
-
- 電子書籍
- 嫁と姑デラックス【アンソロジー版】vo…