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内容説明
同時代に、自分自身について彼(ダ・ヴィンチ)ほど沢山の記述を残した人間はいないのに、彼の死の状況は分からない。人は自分の死について記述できないのである。墓さえ不明である。荘厳、悲壮、凄惨、哀切、無意味。本書のどの貢を開いても、そこには濃密な死と、そこにいたる濃密な生が描かれている。稀代の名著、新装版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
78
さすがに3巻までくると単調になって飽きそうだが、山田風太郎の筆は全くそんな素振りを見せない。それぞれ味わい深く、ほんの短い伝記のなかにその人物の人となりが立ち現れてくるようだ。高等師範で永井荷風を殴った寺内寿一が収容先で死去のころ、荷風は嬉々として新小岩の風俗街を散歩。この対比の見事さよ。伊能忠敬が一念発起、測量を始めたのが50の時とは非常に励まされる。児玉誉士夫のロッキード汚職にポルノ男優が抗議して特攻服で小型機に乗って屋敷に突入して「戦死」。桐生悠々の辞世の句『こほろぎは鳴きつづけたり嵐の夜』。2023/08/15
鱒子
73
3巻は65才〜76才で亡くなった方々。年齢が高くなるにつれ病死が増えてきました。人の死を面白がったりするものではないんですが、ともかく滅茶苦茶面白い本。死を通して、その人の生が見えてきます。アンデルセンの死は美しい童話のようだし、勝海舟の死は潔く鮮やかだなぁ。2021/08/05
Sam
54
第3巻は65〜76才。平均寿命も見えてこようかという(時代によってはそれを遥かに超える)年齢ではあるがやはり人の死に様は人それぞれであり、興味は尽きない。風太郎先生は本巻でも相変わらず淡々と、ときに辛辣、ときにユーモラスに死を描く。それと、本論ではないが、各年齢の章にあるエピグラフも良い。例えば68才の章にはこんな言葉が置かれる。「生は有限の道づれ旅、死は無限のひとり旅」(山田風太郎)。うんうん、そうだよなあ。2021/11/27
かのこ
41
Ⅲは65歳で死んだルイス・フロイスから76歳で死んだ長谷川一夫まで。Ⅱは無念の死が多かったというか…、作者も暗澹たる気持ちにならないのだろうかと思うくらいの内容だったのだが(それはそれで面白いんだけどね)、Ⅲはそれなりに歳を重ね、人生が一番輝きを放つ瞬間を終えた後の死が多かったので少し心も穏やかに読めた。風太郎先生のお師匠・江戸川乱歩の死や幸福なアンデルセンの死が印象に残った。2021/11/04
みっちゃんondrums
32
死ぬのはやはり苦しそうだ。病気、特に癌、脳溢血であろうという記述が多く、病の苦痛と、医学の発達していない時代の劣悪な環境を思うと、なんとも辛い。とはいえ、山田風太郎先生の淡々とした語り口は好ましい。ほんのり皮肉も効いていたりして。千利休が「巧妙無比の収奪組織『家元制度』の元祖」だとか、福沢諭吉の項の「最もこういうことをきらいそうな人間を、そろいもそろってよく紙幣に肖像に使ったものだ」とか。2017/10/29




