内容説明
「半径2メートル以内に近づく者の下着を消し去る」前代未聞の能力“パンツブレイカー”を持った少年・汐正幸。周囲に疎まれ、研究機関や宗教団体に狙われる受難の果てに、妹の美幸とともに特殊学校法人「国立醍醐学園」へやってきた。そこは正幸のような特殊な事情を持つ生徒だけを通わせるための学園だった。正幸の能力に興味を持った天才少女・姿影那はその力を解明しようとするが、影那に恨みを持つ者が襲いかかる! ノーパン異能学園ラブコメ発動!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KUWAGATA
22
この突き抜けたネタを、もう少しはっちゃけたストーリーでさらに突き抜けさせることはできなかったものか。ありえない設定と、わりとリアルな主人公の苦悩(?)との対比が、滑稽でもあり涙ぐましくもあり、パンツブレイカーなる異能が何らかの暗喩であったとしたら…、などと考えさせられもしたり。まあそんな感じで、ネタだと思っていたらそれなりに読める作品でした。ただ個人的には、もうちょっとドタバタエロコメを期待していただけに、少々肩すかしだったかな。絵は可愛い。2013/01/03
こうづき
14
な、何コレ超よかった。大好き。ただのエロコメだと思っててすみませんでした。「2メートル以内に近づいたパンツを無条件で消し飛ばす」能力持ちの主人公が、美少女のパンツを消しまくる話……ではあるのですが、すごい大真面目に社会的不利益を被っているのが新鮮だった。しかし妹が健気すぎてかわいい。共依存……とか考えると切なくなるけどとにかくかわいい。カラーページの時点でノックアウト気味だったのに本文読んだらさらにかわいい。最後のオチは予想できたけど、それでも面白かった。あ、2巻あるんだね! 買わなきゃ。2014/03/08
白義
12
時に、「祝福」や「恩寵」が「呪い」となることがある。運命の巡り合わせにより生じた負荷、という意味ではこれらは極めて近いものに他ならない。ともあれ、呪いは解かれるか、あるいは「祝福」に変えていくべきだろう。周囲のパンツを消し去る能力、という馬鹿馬鹿しすぎる能力に反して、主人公がいかにその能力ゆえに世間から厭われ、苦悩したか、そしてその「呪い」をどう「祝福」に変えていくのかが極めて丁寧に描かれる、極上の青春SFだった。特にヒロイン影那の、天然だが自然な優しさと肯定力が特筆に値する2013/07/06
1_k
12
これはひどい(褒め言葉)。こんなステキな異能力もの見たことがない。出落ちかと思いきや、パンツブレイカーを持つゆえの日常生活の困難や苦悩など、わりとちゃんと考えられた内容。ラノベはこういう突き抜けた発想としっかりした中身を両立できるのが理想だと思うわ。次もあるとすれば、このままおバカに突き抜けていってほしい。2011/11/27
カインズ
11
【誰をメインヒロインと言ったら良いのだろう?】異能がある世界を舞台としたラノベは良くあるが、主人公の異能がパンツを消すものだったら?周囲にあるパンツの類を消してしまう主人公の物語。「ふざけんな!」と言いたくなる設定なのだが、その異能ゆえに主人公が苦しんでいる描写があったり、妹がそんな兄に献身的に尽くしていたりと、なかなかシリアスな描写がある。良い話である、パンツじゃなければ。女の子は、どの娘も主人公との距離が近いので誰をメインヒロインと言って良いのか分からない。個人的にはもう少しギャグが多めだと良かった。2012/01/28