内容説明
古本を商い、江戸の町中に流れる風聞や怪事件などを書き付け「お記録本」に仕上げる藤岡屋由蔵と知り合った縁で、萩藩の吉村作之助は昌平坂学問所で学ぶことになる。その学問所で不審火があり、付け火の犯人と疑われた作之助は由蔵とともに真相を探るのだが…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいしょう@SR推進委員会
3
お記録本屋。お江戸の情報をネタ本にしたものを、武士や商人に見せてお足を頂くというちょっと変わった商いをしている由蔵が主人公。…なのだが、相方でありわが子のような作之進や他の登場人物に隠れて、ちょっと主人公としての印象が薄くなってしまったのが惜しい。人脈は、店屋の軒下で大道店をしているしけた親父とは思えないほど立派なので、こった探索の場面もなく、その人脈で解決しちゃう?みたいな筋立てなのだ。眉目秀麗、文武両道の作之進の行く末が気になるってところでしょうか。2011/10/05