内容説明
いつか歴史の授業で習ったローマの皇帝、ギリシャの賢人。彼らの功績を暗記はしても、どんな人間だったかまでは知りえなかった。教科書の記述からこぼれ落ちてしまった古代リーダーたちの素顔を、恋、性格、家族関係など、魅力的なアプローチで解き明かす! 伝説の古典的名著『英雄伝』を、熟練の筆致で解かりやすく翻案した新しい歴史の入門ガイド。『プルタークの物語』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
56
2011/7/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2014/7/14〜7/19 阿刀田さんの古典解説シリーズ。今回は、プルタークの「英雄伝」。相変わらず軽妙に紹介してくれるのは良いのだが、如何せん基礎教養が不足していて、取り上げられるのが名前程度しか知らない人が多い。次の栄華編では、知っている人がいるだろうか。2014/07/19
アイゼナハ@灯れ松明の火
34
阿刀田版『プルターク英雄伝』。いや、原典は読んでないのですが(汗)原典がギリシャの偉人とローマの偉人を並べて論じる〈対比列伝〉になっているというのは初めて知りました。面白い趣向ですね〜。もっとも、本書では逸話に乏しかったりすると相方がバッサリCutされてたりするのですが(笑)ソロンとかペリクレスとか、名前だけしか知らない人物の事績が分かりやすく面白く読めて楽しかった。民主主義でトップを張るのは大変だなぁと思わせておいて、ラストを『善悪けた外れのスラ』で〆るのは構成の妙なの?〈栄華篇〉も楽しみです。2011/07/13
Norico
14
プルタークの英雄伝を阿刀田さんが分かりやすく抜粋。名前知ってる英雄もいれば、この人は英雄なのかな?って感じのもあり。一時期めちゃくちゃ敬愛してもすぐ追放したり、撲殺したり、かと思えばすぐ反省して戻ってきてもらったり。ローマの支配者は大変そう。2021/11/26
櫛部晃季
12
阿刀田さん流に『プルタルコスの英雄伝(対比列伝)』を読み解くエッセイ。読み易さはぴか一!阿刀田さんの手に掛かると、シリアスな場面が何故かコミカルになってしまうのが不思議。歴史的に有名な人物だけをピックアップしているので、対比列伝とは云い難いが、日本の『古事記』や『日本書紀』を読み解くような感じで面白い。ローマのスッラ(本書ではスラ)で締めているので、共和制末期の動乱期突入で終わる。栄華編も併せて購入すれば良かった。続きが読みたい!2012/09/05
CaLiLa
9
こんな簡単な『プルターク英雄伝』で良いのだろうか、と思いつつ楽しく読了。岩波版が難しすぎなのか( ̄▽ ̄;)抜粋のエピソードしかないが、内容は濃い。神話の世界と交ざっていた時代から、共和制ローマの終盤までの英雄が分かりやすく紹介されている。が、時代が違うので、理解できない行動もあって、それもまた面白味だ。これを読むと、『英雄伝』が史料として重要なのは当然だが、読み物としても面白いのだろうと期待する。期待するが、やっぱり難解なんだよなぁ…岩波版(´д`|||)2014/10/23