内容説明
あまりに遠大な公転軌道を有するため、あたかも銀河を彷徨っているかに見える辺境惑星ワーローンに、ひとりの男が降り立った。ダーク・トラリアンは、かつての恋人グウェン・デルヴァノから送られた〈囁きの宝石〉に呼ばれ、この惑星にやって来たのだった。再会を喜ぶダークだったが、グウェンは思いもよらない事実を彼に告げる。自分はもはや自分だけのものではないのだと……。エキゾチックな異星で展開される冒険SF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mejiro
10
朽ちたテーマパークを想起する、祭りの後に打ち捨てられた遊星。主人公は元恋人からのメッセージに導かれ、この死にゆく星で彼女と再会する。SF特有の造語、この物語では特に人名が重要な鍵だが、覚えるのが大変だった。世界造形(用語集つき)がとても緻密で、この宇宙が実在するのでは、と錯覚するくらい凝っている。物語の礎であるカヴァラーン人の歴史と文化だけをとっても、現実のそれのように読みごたえがある。 2017/09/26
Saiid al-Halawi
7
お祭り用に作られたアーコロジーが点在する星の、フェスティバル終了後が舞台という。「もしもジャアンがきみをディナーと呼んだら、きみはオーブンに飛びこむのか?」 p.3112012/12/11
スターライト
7
今や〈氷と炎の歌〉シリーズで有名なマーティンの第一長篇。上巻では、遠未来の宇宙の舞台背景やら各星域と部族(?)などの歴史の説明が長々と続き、ストーリー自体はラスト3分の1ほどになってから大きく動き出した感じ。主人公のダークと元カノ、グウェンの復縁話が中心となった大宇宙ラヴ・ストーリー?とりあえず、下巻がどう進むか見守るしかない。2011/08/21
けいちゃっぷ
5
作者の長編デビュー作らしい。 銀河の果ての放浪惑星を舞台にしたSF活劇・・・ではないんだよな。 その後のシリーズものに通底するような設定らしいが、上巻ではほとんどが説明に費やされている印象。 ようやく最後の方で動き出した気がするが、正直読むのがツラかった。 352ページ 2013/07/29
sugimo2
3
処女長編な上、前評判微妙だったので覚悟はしてたけど、序盤は確かに微妙だしかったるい。とはいえ、食事シーンが既にやたらと美味そうなのにはわろた。三つ子の魂百までってことかしら。面白くなりそうな予感を秘めつつ下巻へ。2011/09/29