内容説明
「過去は水に流さないか?」「遅すぎるわ。もう元には戻れない」ロマーノの言葉に、ジャッキーはそう答えるしかなかった。姉の結婚式に出席するため、彼女は故郷の町に帰ってきた。でもかつて捨てられた初恋の相手まで戻っているとは思わなかった。ロンドンでファッション雑誌の編集長をしているジャッキーは、故国のイタリアでトップブランドを率いるロマーノに、仕事の上でも会うことがないよう、ずっと避けてきた。数カ月前、事情が大きく変わるまでは――。私はいずれ、いやでもロマーノに話さなければならない。彼には娘がいると。十六年前養子に出したその子にやっと巡り会えたと。■イタリアの小さな町を舞台に、毎回心温まるロマンスをお届けしている〈恋人たちのレストラン〉。作家競作のミニシリーズ三作目は、恋人たちの胸に今も熱く迫る十代の夏の日の出来事を、期待の作家フィオナ・ハーパーが描きます。どうぞお見逃しなく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mari
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★★☆2012/01/30
砂月周
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ヒロインが養女で実の親を探すってパターンはよくありますが、今回のヒロインは子供を養子に出した母親って立場で新鮮でした。二十歳過ぎた後のシングルマザーでも厳しいのに16歳の母親は不安にもなるし絶望もあるよなと思い、養子に出すのが当時考えられる最良の手段だったと思います。 子供が居ると知った時のヒーローの態度も良かったです。怒り狂うでもなくヒロインの事を考えて理解する……何か凄いなぁとただ思うばかりです。二人の苦悩や後悔が、読んでて胸にこたえました。 2011/06/24