内容説明
女でも男と対等の生活をしたいという夢を描いた『とりかへばや物語』。女手だからこそ子を失った悲しみを綴ることのできた紀貫之。おませな少女の会話をリアルに描いた『浮世床』。『古事記』『万葉集』から『枕草子』『平家物語』『徒然草』、さらに江戸文学まで、古典をこよなく愛する田辺聖子が、その魅力を縦横無尽に語る。
目次
死ぬときはいっしょだぞ―平家物語
この世の地獄を見た―方丈記
田舎はなんてすごいんだ―宇治拾遺物語
噂になってしまった―百人一首
院、どうしてなの?―とはずがたり
物をくれる友がいちばん―徒然草
金が敵の…―西鶴と近松
Uターンして第二の人生―芭蕉・蕪村・一茶
女房はやはりありがたい―古川柳
なんとか浮き名を流したい―江戸の戯作と狂歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かごめ
11
「平家物語」から江戸の末期までの文芸の紹介。上巻と同じく楽しんで読みました。「平家物語」はダイジェストでも痛々しく滅びの美学はわかるが、それをいくら美化しても戦のシーンは好きになれない。いっそ核で一発、のほうが人道的に思えてくる。「百人一首」はバックストーリを含めて読み直したいと思いました。驚いたのは「とはずがたり」二条という女性の男性遍歴はもちろんではあるが、それ以上に尼になったのちに鎌倉、善光寺と各地を遍歴し都の文化を伝播させたことです。言い寄られると靡いてしまう女が西行を偲び旅をし、歌を詠む。→ 2017/02/17
ルルママ
6
縁遠い古典を身近に感じられる。上巻”とりかへばや物語”は、男女逆に育った若君・姫君の話。今の小説でもありそうと思った。下巻”とはずがたり”は、身分の高い人たちの愛憎劇。源氏物語の若紫と重なる境遇というところに興味がそそられる。作者田辺聖子さんにとっては、訳が不要と思われたのか、歌には原文しかないものが多い。理解するのに時間がかかったが、声に出して読むと、音の響きの美しさを感じ、気持ちいい。そして、意味もわかってくるのが不思議だった。同じ日本語、英語よりは簡単かな。古典を学びなおしたい。2019/04/14
餅くま
5
とはずがたりの話がいちばん面白かった。源氏物語はどの時代にも人気があり、様々な作品に影響を与えていることを知りました。2022/12/22
ヒロミ
5
百人一首の話がやはり印象的でした。一巻で積ん読状態の平家物語も改めて読みたいと思わせてくれました。江戸戯作と狂歌が取り上げられていて意外でした。2014/01/03
あいくん
4
☆☆☆☆「平家物語」は文章が美しくて読み聞かせに向いています。戦の話ですが、義仲と巴の話は胸を打ちます。大津の義仲寺には行きました。ここには義仲、巴、芭蕉の墓が並んでいます。「宇治拾遺物語」は二百編の説話が収められていて芥川竜之介はじめ作家が現代小説にしています。「芋粥」には田舎のすごさが出てきます。地方の豪族のぜいたくぶりや地方に新しい勢力が生まれ文化も生まれているということを示しています。盗人は人類始まって以来のものですが、「源氏物語」には盗人が出てきません。その意味で源氏物語は純文学です。 2015/07/11




