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内容説明
世界一大きく、世界一臭く、七年に一度咲き二日でしおれるショクダイオオコンニャク(インドネシア)。その存在は伝説として知られていたものの、現地での撮影に成功した者は世界でわずかしかいない。その中の一人が、自然写真家として地球200周分の撮影旅行を重ねてきた著者である。本書にはこの花の貴重な写真のほか、土のなかで咲くラン(リザンテラ・ガルドゥネリ)、メスバチそっくりの唇弁を垂れ下げハチと「交尾」するラン(スリッパー・オーキッド)など、進化の極みともいうべき植物を紹介。あまりにも不思議な進化を遂げた理由、巧みな花粉の送粉システムにも迫り、美しくも深遠な世界を満喫する。
目次
世界一大きな花<br/>巨大花ラフレシア<br/>ハチと交尾するラン<br/>土のなかで咲くラン<br/>もっとも巧みな送粉術―中南米のバケツラン<br/>どう見てもキノコにしか見えない花<br/>アンコールワットの絞め殺しの木<br/>「奇想天外」という名の植物<br/>水上の覇者オオオニバス<br/>世界一乾燥した大地の花<br/>アリ植物<br/>中国の青いケシ―雨傘植物との出会い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YVI
3
ジャポニカ学習帳の表紙を長年担当する写真家さんの探検記。昆虫写真家となり昆虫ばかり追いかけていたところ、植物との切っても切れない関係に気付き、以来「共生」「共進化」をテーマに旅をしているという。探検記を読んだのは初めてだったが、著者の試行錯誤を重ねに重ねた何十年もの膨大な時間と情熱の記録であり、彼にしか知り得ない体験、感覚、知見が間違いなくまだまだ沢山あり、もっともっとお話をお聞きしたいと思った。同じ場所を訪れて同じものを観察した博物学者や探検家との繋がりを感じる特別な感覚を記してくれたことが嬉しかった。2020/12/26
ユカイ
2
移動を地球200週しちゃうようなくらい世界の植物研究に心血注いでる著者の本。写真も豊富なショクダイオオコンニャク、ラフレシアなどの奇妙な植物や歴史、作者の世界のめぐり具合がいい。2020/05/26
ビリー
2
いやー、面白かった。ジャポニカ学習帳の表紙って気にはなっていたけど、30年間この人が一人で撮ってたって凄まじい。。。どれも知ってはいる植物だけど、自生地の状況をこれだけイキイキと伝えてくれる本はなかなかない。特にヒドノラなんて、それについて触れている書物が日本にどれだけあるのやら。共生や送粉がに対する興味が強いらしく、最近アリやハチが好きな僕のツボにもハマりました。もっと高くていいから分量増やしてほしかった。続編希望!2012/11/12
kinkin
1
ラフレシアに合いたい2012/03/17
黒胡麻
1
ラフレシアやオオオニバスといったメジャーな花だけでなく地中に咲くランやキノコのような寄生植物の花など聞いたこともないような植物が紹介されていて面白かった。タイトルどおり著者は膨大な海外渡航をしているわけだが、費用はどうやって調達したのか気になる。2013/05/03