内容説明
第2回朝日時代小説大賞を選考委員満場一致で受賞。伝奇色豊かな正統的忍者小説でありながら、主人公の文吾とその妹分・お鈴の成長物語&青春小説としても秀逸。和田竜など若手時代小説作家に匹敵する筆力あり。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
78
同著者の『機巧のイヴ』を借りようと棚をみるとこれがあった。時代小説賞受賞作とあり借りる。天正伊賀の乱に巻き込まれる伊賀忍者の主人公と忍者の謎をめぐる歴史伝奇小説。実にオフビートで困惑しつつ読んでいく。小説でもないようにも思える。うーん。途中で思い出したが著者の同年発表の『完全なる首長竜の日』を読んでいて、ああと納得。擦れっ枯らし向けか。好きな人には好きなのだろうが。いつクトゥルフが出てくるのかと構えていたがさすがにそれはでなかった。2020/03/23
まつじん
28
時代小説、ではないですね。伝奇小説、ファンタジーです。だからか正伝ではなく外なんですね。忍びは忍びであろうとするから忍びである。かっこいいねぇ~2011/12/24
及川まゆみ
27
栄えある第二回朝日時代小説大賞受賞作。事実上の初の大賞作品。いやいやこれは面白かった。一気読み。賛否両論あるようですが物語の書き手としてはなかなかのものだと思いました。それにしても構成がすごいな。狐につままれたようですが作者としてはしてやったりでしょう。天正伊賀の乱の影にあの人あり…(笑)。本能寺の描き方も面白い。お式って式神かなにかなのかなぁとか思ったり…この先どーなるよ?ってところで終わりなのでぜひ続編を書いてもらいたい。それにしてもアマゾンのレヴューには悪意が満ちていますね。なんかやっかみみたいな…2012/10/10
のこ
24
織田信雄が行った天正伊賀攻めの外伝的小説。忍者、というよりも伝奇的設定の方が前面に出てました。一次元、二次元、三次元の世界の話が混ざって最後の方ごっちゃになってますが、この不思議さを残す設定は嫌いではないです。■本能寺の変がなぜ起こったか、ということも交えてますがあくまで伝奇設定を元にしたものなので好き嫌いは分かれるかもしれません2013/11/07
MarsAttacks!
19
最初は「天正伊賀の乱」をモチーフにした時代小説と思って読んでいたら、物語は段々と伝奇小説の匂いがしてきます。落ち着いた感じで語られ、中盤から終盤にかけてからの妖しさと展開に吃驚、続きが気になり一気に読んでしまいました。でも、まとめを急ぎすぎた感じで、あっけない幕引きが少し残念でした。伝奇小説にしては、おとなしめで派手さが足りませんが、なかなか面白い物語でした。続きあるのかな?2011/12/07




