内容説明
パパが死んで三ケ月。傷心のオハナは、義理の母でありフラダンサーのあざみとホノルル空港に降り立った。あざみの育ての親マサコの、永遠の踊りに出会い、薄青い空、濃い緑、白く尖った波を眺めているうちに、涙の嵐に襲われる日々が変わっていく。パパはもうどこにもいないけれど、人生は続くのだ。優しいハワイに包まれ、生命が輝き出す奇跡の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
266
あとがきによれば、「5年もかかった、入魂の小説集」とのこと。筆者の思い入れもそれだけ強いのだろう。いずれもハワイを舞台にした中編が3篇。また、多かれ少なかれ、そこには失われた家族関係がからんでいる。表題作では、「私」も義母の「あずみさん」も泣いてばかり。構図とすれば、カタルシスによる癒しの物語ということになりそうだ。全編にハワイの空気感がよく出ているし、また「単純でいい」ことを指向する世界観は、やはり癒しにつながって行くのだろう。2012/06/03
さてさて
171
『ハワイにいると、人間はいつだって抱かれているんだと思う。』そんな『ハワイ』という地での安らぎの感情の中に、主人公たちが喪失を癒していく物語。『ハワイ』の魅力を美しい言葉で紡ぎ出す吉本ばななさんの筆の力が光るこの作品。『ハワイ』という特別な場所が、強い説得力をもって主人公たちに力を与えていく様を感じさせるこの作品。『読者のみなさんが、ハワイに行きたくなりますように』と語られる吉本さんの『ハワイ』愛が全編に渡って具に感じられる、『ハワイ』に始まり、『ハワイ』に終わる、全編『ハワイ』の魅力が満載な作品でした。2022/12/26
ミカママ
77
ずうっとずうっと読みたかった本がようやく手に入ったので一気読み。独身の頃から何度も訪れたハワイ、もう空気から景色から、そしてよく通ったベトナムサンドイッチのお店まで、一瞬にしてよみがえってしまいました。私が一番好きだったのは「銀の月の下で」これからのふたりを予感させる終わり方が好き。あ~行きたいな、ハワイイ!2014/02/17
財布にジャック
66
ハワイの空気感は見事だとは思いましたが、ビターなお話ばかりで、せっかくの明るいイメージのハワイが壊れてしまう気がして、今一歩乗り切れませんでした。しかし、ともすると不幸で暗くなりがちな人物が、皆前向きで素敵だなぁと羨ましくなったことは確かです。また読んでいると、ハワイの空や海や街が思い浮かんで、又行きたいなぁと思えてくるから不思議です。2012/09/19
らむれ
54
「入魂の一作」なのは伝わってくるのだけど、多分に内面的で、追いつけないぐらいスピリチュアルで…読機をつかむのが難しい作品だなぁ。でも、自分のコンディションと作品がぴったり合うと、何物にも代え難いメッセージがある気がする。ハワイから帰ったら再読しようかな2017/05/05
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