現代沖縄の歴史経験 希望、あるいは未決性について

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現代沖縄の歴史経験 希望、あるいは未決性について

  • 著者名:冨山一郎/森宣雄
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • 青弓社(2014/06発売)
  • ポイント 34pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787233172

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内容説明

宿命的に沖縄経験を背負わせ、当事者として据え置いたうえで、饒舌に、また正しさを競い合いながら解説される「沖縄問題」がある。問われているのは、たんに当事者こそが経験を語るべきだということでは、ない。問題は、こうした饒舌な解説が何を回避し、いかなる事態を怖れているのかということにある。そして回避行動から離脱し始めるとき、経験にかかわる言葉は別の連累を担うはずだ。そこに本書の言葉たちは据えられる。その場所は、始まりであって、正しさではない。

目次

“世界のどこかで私を待っている人”へ──「日本学叢書」刊行にあたって 川村邦光

序 章 歴史経験、あるいは希望について 冨山一郎
 1 誰の経験なのか
 2 未決性について
 3 沖縄戦後史
 4 飢えの思想
 5 主権という問題、あるいは再び未決性について
 6 連累する経験
 7 希望について
 8 暴動の予感と媒介する言葉たち──討議へ

第1部 主権という問題

第1章 沖縄という言語道断、あるいはその語りの不可能性──国学としてのアメリカ研究と冷戦アジア研究の共犯的忘却 米山リサ[沈正明訳]
 1 大城立裕の「カクテル・パーティー」における沈黙の修辞
 2 冷戦の知の政治──「カクテル・パーティー」における「文化トーク」
 3 ポスト・ナショナルな知に向けて──危険性と可能性

第2章 韓国における沖縄学の現在──●●(ゆぅぐぅ)と●●(りゅぅきゅぅ)の間 洪★王偏に允★伸
 1 一九六〇年代、呼び名、琉球=「ゆぅぐぅ」の登場
 2 加速する軍事独裁時代──韓国民俗学のなかの「おきなわ」
 3 韓国における日本学と『海東諸国紀』の「ゆぅぐぅ」
 4 旅する「恨」──強制連行地としての「おきなわ」
 5 「共感」と「連帯」という問題

第3章 米軍統治下の沖縄における出入管理制度と「非琉球人」 土井智義
 1 「非琉球人」の経験
 2 「非琉球人」の登場
 3 擬似「国家」化される「琉球」──奄美「復帰」と新出入管理令

第4章 沖縄戦後史とは何か──県内移設反対運動の背後にある歴史意識 森 宣雄
 1 無主権の歴史
 2 主権性の回復主体としての社会運動
 3 主権性・党派性からの存在の解放思想
 4 〈沖縄戦後史〉の現在

第2部 連累する経験

第5章 「ジェンダーの視点」から生まれる関係性──沖縄の女性関連施設における労働過程に関する一考察 成定洋子
 1 労働、経験、主体
 2 女性関連施設
 3 ジェンダーの視点

第6章 島の経験を受け継いで──慶良間諸島における「集団自決」と共同体 門野里栄子
 1 出来事から遠ざけるもの
 2 謎
 3 課題
 4 沈黙
 5 共同体
 6 ともに生きる

第7章 もうひとつの「沖縄戦」──疎開と沖縄出身者社会 上地美和
 1 沖縄における疎開
 2 本土決戦への統合の論理(1)──地域社会と沖縄人
 3 本土決戦に向けての統合の論理(2)──国民国家と沖縄人
 4 「敗戦」と疎開者の生活世界

第8章 近代沖縄における移動と芸能──南洋群島からの視点 栗山新也
 1 役者たち
 2 「蛇皮線」の音
 3 芸能がついてまわる

第3部 希望について

第9章 暴力と歓喜──フランツ・ファノンの叙述と目取真俊『虹の鳥』から 金城正樹
 1 テロリズム、非暴力行動、敵対性
 2 政治的正しさをめぐって
 3 変状する思考と身体──フランツ・ファノン「アルジェリアはヴェールを脱ぐ」
 4 自然で、必然であるということ──「希望」
 5 暴力、認知、愛──『虹の鳥』
 6 反規範の政治

第10章 怒りの海からの奮起──アメリカ軍占領下の沖縄におけるコザ蜂起 ウエスリー上運天[新垣誠訳]
 1 コザ蜂起
ほか

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