内容説明
花火職人清七に降って湧いた鍵屋の主・弥兵衛からの暖簾分けの話。なぜ俺が、と考える暇もなく、職人を集め、火薬を調達し、資金繰りに走る。お披露目は夏の大川だ。女房と二人三脚で暖簾を大きくした清七は、玉屋市兵衛と名乗った。大輪の華ひらく一瞬に、すべてを賭けた江戸っ子の心意気が沁みる感動の一代記!
感想・レビュー
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珊瑚
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皆が知ってる花火の掛け声『た~まやーっ!!』『かーぎや~っ!』の由来のになった江戸時代の花火問屋のお話2012/01/10
伊 謄
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江戸の花火といえば鍵屋と玉屋。ここでは、鍵屋から分家して一世を風靡した玉屋の当主玉屋市兵衛を主人公とした一代記が綴られます。 人の情けや叱咤によって玉屋は本家の鍵屋を凌ぐほどの人気を得るにいたったのですが、1843年に火災を出して玉屋は一代限りで終わってしまいました。その史実を無視しての一代記はありえませんから、そうした悲劇が最後にありながらも悲運の物語ではなく、やはり人情物の物語として締めくくりたい。そのあたりが作者の工夫でしょうか。エンディングは花火を失ってしまった玉屋市兵衛夫妻がでてきますが、し2011/10/17
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