内容説明
公儀天文方御用を命じられた大坂の大店質屋で、天文学の研究に精進する宗介。 彼のもとに遊郭の奥座敷で蘭方の妙な星占いをする女を調べて欲しい、と同心が訪ねてきた。宗介が店の用心棒・小次郎と調査を始めると、件の占い師の簪で喉を刺された新造が、死体で発見される。二人は真相に迫るが、背後に巨悪の陰謀が浮かび上がった。
眉目秀麗にして頭脳明晰。だが人間性に難ありの天才学者、ここに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miwmiw
13
時代小説で天文学というのが気になって読んでみましたが、天文学より事件が多め。この時代の天文ものは珍しいから、どんな感じだったのかもっと取り上げてほしいなぁ。主人公の十一屋の用心棒・小次郎よりも、天文馬鹿の宗介さんが魅力的。まだ謎もあるので続編に期待。表紙の装画が素敵。2012/03/22
雨巫女。@新潮部
12
大阪が舞台で、今までにない設定に、ワクワクo(^-^)o キャラクターもおもしろく。次回作かなり期待してます。2010/12/15
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
7
江戸時代の大坂を舞台にした作品。天文学者と江戸から来た用心棒が、西洋占星術師の謎と、占星術師の簪で殺された新造の謎を解く……。謎を解決するミステリ的な部分よりも、その時代の人たちの暮らしだったり、天文学に対する想いなんかの方に重点が置かれているような気がする。魅力的なキャラクターばかりなので、シリーズ化されているのがうれしい。2014/09/06
むつぞー
5
謎解きとかちょっとものたりない感じはしますけど、天文馬鹿で主人が大事の宗介や小次郎といった登場人物も魅力ありましたので、面白く読みました。 時代物のドラマにしたら面白そうな感じですね。 蘭書の件とかいろいろ残ってる分もあるし、一応新シリーズとなっているから続編出ると思います。 当時の天文事情とかがもっといろいろえがかれるといいなぁ。2010/07/13
もっさ
4
幕府でも御上でもなく大坂町人が蘭学・天文を引っ張っていたというのが興味深い。キャラクターが魅力的。2010/08/08