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内容説明
「奇跡の成長」で沸き立つ中国であるが、今後、中国の実像を理解するために最も重要な因子は、「農民」と「土地」である。本書ではこの二つの因子を中心に中国を分析している。
中国はここ20年ほど奇跡の成長を続けて来たが、これをこれからも続けて行くことは難しい。現在の中国は日本がバブルに踊った1980年代のような状況にあり、なんらかの調整が避けられない。
その調整は、政治体制を揺るがす可能性もあり、中国は日本がバブル崩壊後に味わった以上の苦しみに直面する可能性がある。その調整が終わった後に、中国が周辺諸国に及ぼす政治的な影響力は、現在よりも小さくなる。
それは、国内統一を維持するために、より大きな力を裂かねばならなくなるためである。したがって、中国が米国のような超大国になることはない。気鋭の学者が説く、新しい視点の中国論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セイタ
2
中国を農業という観点から分析した本!4時間で読了。まず、著者は農業が専門分野にもかかわらず、他産業との関連の中で、しかもそれを中国という外国で分析しようとしたことは賞賛に値する。現に農業の国際比較などは面白かった。ただ、中国の政治や社会に関する分析がお粗末である。学生のレポートに知人の中国人の私見を付け加えたレベルである。(学部生のレポートならば最高評価がもらえると思う)読んでて違和感があるところがかなり多かった。著者は自らの専門である農業をもっと突き詰めていれば東大の教授にも慣れたのではないかと思う。2023/02/08
Tom Zacky
1
勉強になった^^2012/08/26
Peko I
0
中国は、高度経済成長期の日本というよりも、戦前の日本に似ている。小作農の権利を保障しないまま経済成長に突き進んでいる点で、戦後日本の経済成長とは大違いである。極端な中国崩壊論、極端な超大国論でもない、バランスのとれた中国解説本です。冷静な文章で且つ解り易い。良書。2014/02/06
kilroy
0
★★☆(再読の価値あり)総合的に物事を「システム」で分析する手法で「中国」を分析しつつ、日本の現代史まで解説。中国はアメリカ並みの超大国にはなり得ない説に納得。かつて世界2位の経済力を誇った国が超大国になり得なかったのと同じ理由で…。2013/03/23
sasuke
0
都市に住む人と農村に住む人の間に身分の違いがあること。8億人が農民であり、農業だけでは豊かになれないこと。私有財産を認めない国で地方の役人がどうして金持ちになれるのかなど、日本との違いがよくわかった。2012/10/06