内容説明
理想のモテ男は、お侍でした。
シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は180年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を居候として家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気づく。
安兵衛は料理のレパートリーを増やし、菓子づくりに挑戦。これが評判を呼び、お侍の格好をした「ござる」口調の天才パティシエとして時の人となるが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
292
イラストと小説でイメージ違いすぎでしょ!!(笑) オープニングの一文でラストが想像出来るのはご愛嬌ですね、タイムスリップしたお侍(安兵衛さん)が、ひょんなことからパティシエになってひと騒動 でも安兵衛さんが、たまにいいこと(耳の痛いこと)言うのよねぇ!! <(^_^; 2010/07/10
そる
278
木島安兵衛のキャラがいい!江戸時代の人だからこそ男女役割分担に信念はあるが現代では少し態度を軟化させる所もいい。働くこと、育児について、安兵衛の言葉が刺さる。私も、仕事してるからと育児が手抜きだな、と反省。友也の喪失感が心に痛い。働くひろ子を「羨ましかった」と素直に言うのがまたいい。時代を超えて約束を果たす所、最高!「「子供の横暴は、親が手伝いをさせぬことに一つの理由があると存ずる。きちんと教えれば、子供にも手伝わせられることはたくさんあり申す。それをしないのはえねるぎーを惜しむからでござる。(後略)」」2019/11/28
takaC
264
『ふしぎの国の安兵衛』面白かったよ。江戸時代と現代の日本語がコンパチブルだというのは違和感ありだが、そういう細かいことを気にする話ではないようなのでスルー。ひろ子チャンはちょっと残念でしたね。小説としては最善のオチだから仕方ないですね。2011/04/06
海猫
225
映画「侍タイムスリッパー」を観て面白かった趣旨を知人に話したらこういうのもあるよ、と教えてもらったのが映画「ちょんまげぷりん」。映画を観る前に原作の方を読んでみた。現代にタイムスリップしてきた侍がシングルマザーと一人息子と一緒に生活。現代の料理に目覚めた侍はパティシエを目指す。前半はカルチャーギャップ・コメディーとして可笑しい。堅物の侍の言動が巧まずして社会風刺的に聞こえるのも面白い。後半、パティシエとして躍進しながらも侍の心を失わないのが微笑ましい。終盤は少し唐突ながらオチの付け方が上手く心暖かくなる。2025/06/19
はらぺこ
201
読み始めは「大人版おじゃる丸」やなと高を括ってたけど、スラスラ読めるしオモロかったです。ただ、ひろ子が男前とは言えない安兵衛に引かれる話やったから、表紙の人物の顔に邪魔された気がする。もし表紙の絵が安兵衛なら設定通りの顔にしてほしかった。そうなると表紙買いする人は減るやろなぁ・・・。 上手く行き過ぎな気もするけど、それも許せるぐらい好きです。まだ読んでない人は是非読んでみてください。楽な気持ちで読むのがベスト。オススメです。 2011/03/25
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