電撃文庫<br> 夜魔 -奇-

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電撃文庫
夜魔 -奇-

  • 著者名:甲田学人
  • 価格 ¥627(本体¥570)
  • KADOKAWA(2014/06発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784048682770
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「君の奥底に眠る『願望(のぞみ)』は───何だね?」 小学校の校庭に立つ大きな桜の木。この桜は子供を攫う。咲が子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。──桜の花びらは危険だ。そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。 これは、『Missing』シリーズの夜色(ヨルイロ)の外套(マント)を身に纏った魔人と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは──。 甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『 -怪- 』と連動し、待望の文庫化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スズ

43
人の眼球を釣り上げる狂人、壮絶ないじめを受けリストカットを続ける内に体からカッターの刃が生えるようになった少年、死が近づいた人の体に蟲が群がる幻視を見続ける少年、人を攫う恐怖の桜に狙われた少女が、『Missing』に登場する魔女・十叶詠子と出会い破滅や救済を迎える物語。桜の花びらを踏んだ子供を異界に攫い続ける桜のお話がかなり怖く、部屋にあの桜の花びらが落ちていた時の、私の家が見つかった!という恐怖がゾワゾワと全身を支配していく感覚がヤバい。神野陰之と幼い詠子の邂逅と崩れて行った彼女の家庭も描かれていました2019/11/10

眠る山猫屋

29
『ミッシング 神隠しの物語』の敵役、魔女と魔人が出会う物語。嫌いになれないんだよなぁ、十叶詠子。幼い彼女の願いはただひとつ・みんなが仲良くなれますように・・・。死んだ者も生者も、見えるものも見えないものも。そんな彼女の周りで起きた異界との軋轢。幻想寄りとの事だが、充分怪異です。2017/08/17

幸音

18
元々の「夜魔」に書き下ろしを加えてメディアワークス文庫と電撃文庫で分冊化した本。「罪科釣人奇譚」本人に狂ってる自覚があるからなのか、こちらも冷静に読むという不思議な感覚を抱いた。「薄刃奇譚」カッターの刃や身体的な痛みの描写がリアル過ぎて想像してしまい、痛い痛いと思いながら読んだ。甲田さんは本当にこういう表現が上手。「魂蟲奇譚」蟲が見える直輝。母親の話が辛かった。最後の願いは純粋。「桜下奇譚」桜が子どもをさらう理由。桜の濃厚な気配にぞっとした。「現魔女奇譚」幼い頃の魔女・詠子と神野陰之の出会い。2014/02/28

アウル

16
Missingに登場する十叶詠子と神野陰之の出会い、そこから始まる十叶詠子の『願望』と異常なものや異常な力を持つ人間の話。どれもが重っ苦しい話だったが、薄刃奇譚が自分の中で一番キツい、肉体を傷つけるのが一番想像しやすいからだろうな。2014/02/02

なつきネコ

11
薄刃奇譚はこの話は見覚えがあるけど、昔に読んだのかな。感想は変わらず痛くて、そんな物になりたくないだけど。罪科釣人奇譚は甲田さんには珍しく能動的な犯罪者。女の子に手を出して惨たらしく死ぬのは昔のラノベらしい。しかし、心の形の魚、魂の形をした蝶が人さらう桜がわかるはネタが被ってるなと思うが、テーマが異物を視る事からか。魂蟲奇譚の二人は幸せになって欲しかったが、やはりか。思ったよりはましだが、甲田さんなりの恋愛物かな。桜下奇譚は面白かった。桜が敵で敵討ちにかわるのはいいな。以外に詠子さんが普通でビックリした。2017/08/28

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