内容説明
「きみが大嫌いだ」心葉【このは】にそう告げられてしまった菜乃。その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。もうひとつの“文学少女”の物語、第2弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yobata
59
好きな相手である心葉に大嫌いと言われた菜乃。その日以来取り繕った笑顔で接せられる菜乃はこの状況を打開するために麻貴先輩に頼み、夏休みに湖畔の別荘へ。そして二学期に入り文化祭で合唱部に劇「フランケンシュタイン」の脚本を頼まれ、文芸部は再び劇に参加することに。しかし合唱部には怪物がいて様々な妨害が発生し…。『~水妖』の別荘での心葉と菜乃の「傷心。」の短編と、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』が題材の「怪物。」の二本。大嫌いと言われ貼り付けられた笑顔で接せられる菜乃。確かに好きな人にそんな態度される→2013/09/07
寂しがり屋の狼さん
51
自分の気持ちに真っ直ぐになれるのって素敵ですね(*^.^*)外伝も次の3巻でラスト📖菜乃ちゃんと心葉先輩はどうなるのかなo(*゚∀゚*)oドキドキ2019/09/27
た〜
51
菜乃がコノハ君の内に秘める怪物と向き合う。他にも自分の内に秘める怪物との対峙がテーマ。暴走娘の前向きさが重たくなりがちな物語を適度に中和。だけど暴走娘もいろいろ葛藤します。2012/07/01
くろり - しろくろりちよ
49
心を締めつけられるような。菜乃のキャラクターが物語を持ち上げてくれるけれど、こんなに愛しくてこんなに切ない本は他にない。シュトルムの『みずうみ』に準えた「傷心」と、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』に準えた「怪物」収録。菜乃が文学少女になりたくて、泣くながら本を食べるところは本当に切なくて。皮肉なのかも知れないけれど、菜乃は遠子先輩に、似てる。本編から再びの演劇では、ななせの気持ちが動き出す。心葉が付け加えた台詞に込められた想い…一人じゃない。一緒の道を歩く友がいるから。また一歩進んでいく。2012/12/20
まりも
45
再読。外伝第二弾の題材は「みずうみ」。「きみが大嫌いだ」と心葉に告げられて以来、取り繕った笑みで対応される菜乃が、夏休みにある行動に出る話。遠子先輩が出ない見習いシリーズですが、"文学少女"がいないからこそ出せる良さみたいなのが有りますよね。底抜けに真っ直ぐで、人の善性を信じようとする菜乃の心の強さ。遠子先輩との別れを経て、確かな変化と成長を見せた心葉。そして本編に登場したキャラクターたちの存在と、外伝らしい面白さがあって良いと思います。引きも相変わらず素晴らしいわ。天使の再登場も嬉しかった。2016/11/05